[メイン] 仮置き : x5 3d6 #1 (3D6) > 14[5,5,4] > 14 #2 (3D6) > 8[1,2,5] > 8 #3 (3D6) > 12[1,6,5] > 12 #4 (3D6) > 5[1,3,1] > 5 #5 (3D6) > 15[4,5,6] > 15

[メイン] 仮置き : 2d6+6 (2D6+6) > 6[1,5]+6 > 12

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン]   : 『Where there’s tea there’s hope.』

[メイン]   : これはアーサー・ウィング・ピネロの言葉。

[メイン]   : お茶のあるとこには希望があるの。

[メイン]   : 美味しいお茶を飲み交わせば心も体も温まるもの。

[メイン]   : 貴方をここに呼んだのは…ちょっとお喋りしたくて。

[メイン]   : 聞かせてほしいの。いろいろ。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] GM : シャンクトゥルフ
「Tea Talk」

[メイン] GM : 始まります。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ネットでまことしやかに噂されるオカルト話。
それは空き家から亡霊が出るというもの。

[メイン] GM : この手のうわさ話はいやと言うほど使い古されたものだ。
大抵、亡霊の正体は子犬かホームレスと言ったところだろう。
かくして真相とはそういうものだ。期待するだけうんざりする。

[メイン] GM : しかし、この記事はちょっと違う。
興味を惹かれてしまうとっておきのスパイスがあるのだ。

[メイン] GM : なぜならその亡霊とはホームレスではなく女の子…
しかもその子はすでに死んだ人間だというのだ。

[メイン] GM : また、興味本位で空き家に訪れた人間が
全員こぞって「確かに女の子を見た」というのだ。

[メイン] GM : そして…訪れた者全員が、その後行方をくらませている。

[メイン] GM : こうした噂を聞いた探索者は
様々な事情でこの空き家の真実を確かめに行くこととなる。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 精悍な顔に、分厚いコートと、太いベルト。
腰にはホルスターがあり、中には重たい物が入っていた。

[メイン] キノ : 少年のように見える少女は、小鳥の囀り声を聞こえる中を、歩いていた。

[メイン] キノ : 彼女は、この現代日本においては、世にも珍しい旅人だ。

[メイン] キノ : Youtuberでもやりそうな、全国各地の旅をしている。
その名は、キノ。外国から渡る船を降りると、日本の街を巡ることにした。

[メイン] キノ : 浅草へ行き、雷門を訪れた。キノは別に、信仰に対し敬虔というわけでもないが、ただ国の、街の風土に、風習、歴史、文化を知ることを楽しみの一つとしている。

[メイン] キノ : 旅をするからには、せっかくなら物珍しいものと出会いたい。

[メイン] キノ : 多分、それが人情というものなんだと思う。なんとなくだけど。

[メイン] キノ : 「うん、面白かった」

[メイン] キノ : 呟いた。誰に言うわけでもなく。その顔は満足げだった。

[メイン] キノ : 「この国の歴史も、ならではの特色があるものだね。実際にこうして足を運んで、目で見てみないと分からないものだ」

[メイン] キノ : 神様に対し、敬意を払う。それはどの国でも、きっとやっていること。
しかし、この国の払い方は、面白い。
人の垢で繕わない、自然体の中に見出していた。そこに人間は、挨拶から始まり、儀礼に沿う。真心というものだ。

[メイン] キノ : 「次はどこへ行こうか……」
顎を触り、思索する中……噂話が耳に入る。

[メイン] キノ : よくある、怪談話だった。ただ、その日はもう、特にやることも無く、手持ち無沙汰な状態だったから、すっかり学生さん達の話を横から聞き入ってしまった。

[メイン] キノ : 「変なの」

[メイン] キノ : キノの感想は、あっけらかんとしていた。

[メイン] キノ : 「訪れた人が皆、行方不明になっているのに」

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 「なんで女の子を見たって、伝わってるんだろうね」

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 好奇心を擽られた。蓋を開けてみれば、存外、大したものじゃなかったりするかもしれない。
ミームと一緒だ。面白半分で、こういった人の恐怖心を煽る話をでっちあげ流布するのは、人類が昔からやっていることだ。

[メイン] キノ : ただ、それでもキノは、『確かめてみてもいいかもな』と思った。
どうしてかって?
そんなものは……。

[メイン] キノ : 好奇心を擽られた。

[メイン] キノ : 誰だってそうだと思うよ。
今日は定食を食べようという意気込みで、外に出掛けて。
すると、道に新しいお店ができていて、どうやらバーガー店で。

[メイン] キノ : 排気口から、パティの肉汁を彷彿される匂いが香って。
美味しそうだなと思って、予定変更して、そこで昼食を済ませる。

[メイン] キノ : 目標を決めなければ、行動が続かないのが人間だけれども
その目標を、途中で切り替えちゃいけないだなんて、別にそんなことはないはずだ。

[メイン] キノ : 「寄り道だね」

[メイン] キノ : 旅人は、深淵へと臨むことにしたのだった。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : CCB<=95 聞き耳 (1D100<=95) > 92 > 成功

[メイン] キノ : 人から話を聞くのは、得意……というわけでもないけど、身体に馴染んでいた。

[メイン] キノ : さて、火のない所では、煙は立たないものだ。
空き家、と言ったって、新築の家に、まさか幽霊が出るなんてことは、あんまりないと思う。

[メイン] キノ : 以前は、誰が住んでいたんだろうね。

[メイン] GM : 少し前まで兄妹が2人で暮らしていたようだが、一ヶ月ほど前から空き家になっている。

[メイン] キノ : と、探偵ごっこをするには、落第かなと言った程度の情報を旅人は握った。

[メイン] キノ : 日本という国は、個人情報の取り扱いには細心の注意を払っているようで、その徹底ぶりは、他の国と比較しても高い方だと思う。

[メイン] キノ : いち旅人が、現時点で得られるものだと、まぁこんなものなんだろうなと思った。

[メイン] キノ : 「空想するなら、その兄妹が消失した日に何かがあったかもしれないと見るのが妥当かなと思うけど」

[メイン] キノ : ふと見上げる。国立の図書館があった。
申請すれば、インターネットも使わせてもらえた記憶がある。

[メイン] キノ : 「信憑性に関しては、首を捻るものはあるかもしれないけど、ただこうして喉に骨が詰まった状態のままというのも、落ち着かないしね」

[メイン] キノ : ふらりと訪れることにした。冷暖房が効いていて、過ごしやすかった。

[メイン] キノ : そしてキノは、運よく誰も使っていなかったパソコン席へ着席すると、立ち上げる。

[メイン] キノ : キーボードを打つ。
空き家に住んでいた兄妹が、退去をした理由について。
……まともに調べても、出てはこないだろうから、オカルト掲示板でも見てみようか。

[メイン] キノ : CCB<=70 図書館 (1D100<=70) > 89 > 失敗

[メイン] キノ : CCB<=80 幸運 (1D100<=80) > 37 > 成功

[メイン] GM : 引っ越したタイミングは妹が死んだ時期と同じタイミングだ。また、死因は服毒自殺のようである。
という怪しい情報を見つけることができます。

[メイン] キノ : ブルーライトが、緑色の大きな瞳に反射される。

[メイン] キノ : 「これは……」
きな臭さが、うんと増した。兄妹は、退去ではなく……死去によって、あの家は誰のものでもなくなった。

[メイン] キノ : その内容が定かであるかどうかはともかく、本当なのだとすれば悲惨だし、嘘であれば、これを書いた相手に憤怒の念を抱くと思う。

[メイン] キノ : 「……とは言え、火はある方が、自然だしなぁ」
背凭れに寄り掛かり、ぽつりと呟く。

[メイン] キノ : 「よし」
と決まれば、あとはもう行動あるのみだ。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 「そういうわけで、依頼をしてみようかなって思うんです」

[メイン] キノ : どこで巡り合ったか?ここがどこか?
そこは、大して重要な情報なんかじゃない。

[メイン] キノ : 「法治国家ですからね、ボクも旅人。郷に入っては郷に従いたいのが心情です」

[メイン] キノ : 「20万円でどうでしょうかね、貴方の1日貸し切り」

[メイン] ゼーレン : 「はい~。旅行の方でオカルトなものに興味がある方は珍しいもので」

[メイン] ゼーレン : 話を聞きながら相手の事情に探りを入れるように会話を挟む

[メイン] ゼーレン : 男はこの国の商人だった
マトモなこともリスクがあることも金という単位を天秤にかけて働く古典的な商人

[メイン] ゼーレン : 「念のため聞きますけどそこ、幽霊が出るんですよ~」

[メイン] キノ : 「ああ……やはり、商人さんも知っていましたか」

[メイン] キノ : 「恐ろしいですね、本当なのだとしたら」

[メイン] キノ : キノが商人へ接触した理由は、簡単だ。
空き家と言えど、今はおそらくは市か、あるいは不動産の所有物となっているはず。
そうなれば、無断での侵入は立派な犯罪となる。お縄になることは、避けたい。

[メイン] キノ : そこで、顔の利く商人に頼ることにした。
世渡りは、結局は人に頼ることが一番効果的。

[メイン] キノ : 「ただ……もしも、本当なのだとしたら」
同じ言葉を重ねて、商人を見上げる。

[メイン] キノ : 「ちょっと、面白いかなとも、思います」

[メイン] キノ : キノの『目的』だった。それを打ち明かす。
それを確かめることができたら、この契約は満了。
実に簡単なものだった。

[メイン] ゼーレン : 「珍しいですからね」
二ッと欠けた歯並びを見せるように笑みを浮かべ

[メイン] ゼーレン : 「じゃあ話を通してきますんで」

[メイン] ゼーレン : そのまま街に出て行く

[メイン] キノ : ありがとうございます。と頭を下げる。
そして、彼の帰りを律儀に待つことにした。

[メイン] ゼーレン : 商人で事前調査
RPとしては登記簿を取るとかで
空き家の持ち主などを確認して

[メイン] ゼーレン : CCB<=80 確認 (1D100<=80) > 39 > 成功

[メイン] GM : 物件の所有主は「森名陸人」。また、物件も土地も手放されてはいないので正確には空き家でないことがわかる。

[メイン] ゼーレン : どうもどうもと公務員の皆さんに挨拶して
次は地元の方々に挨拶周りをして~と考え

[メイン] ゼーレン : 「空き家なんてこんなもので」

[メイン] ゼーレン : 本当の空き家なんてないよな

[メイン] ゼーレン : 噂の空き家周辺の地元民に話を通し

[メイン] ゼーレン : そして戻ってきた

[メイン] ゼーレン : 「キノさん。どうも戻りましたよ」

[メイン] キノ : 「おかえりなさいゼーレンさん、いかがでしたか?」

[メイン] ゼーレン : 「持ち主の方とは連絡が取れなく…」

[メイン] ゼーレン : 「周辺の方は芯が強いというか慣れたというか人が来ることは抵抗がないみたいで」

[メイン] ゼーレン : 「まぁ…一度外観を見てみましょうか」

[メイン] ゼーレン : と空き家に向かって歩を進めていく

[メイン] キノ : 「そうですね、そうしましょう。それと、根回しいただきありがとうございます」

[メイン] キノ : 横に並び、空き家へと歩き進めながら。

[メイン] キノ : 「そして、地域の方々にも感謝ですね。波風立てることを良しとしない国民性に由来するのでしょうかね」

[メイン] キノ : なんて、特に話を広げるつもりもない、そんな感想を溢しつつ。

[メイン] ゼーレン : 道すがらネットで拾えるような噂話を話しなどして

[メイン] キノ : 「しかし、驚きました。まさか、持ち主の方がご存命だとは、少し後ろ髪が引かれる思いではありますが……」

[メイン] キノ : 「事の真相は意外にも、服毒自殺は嘘で、妹さんが存命のまま住んでいました、なんてものだったりするのかもしれませんね」

[メイン] ゼーレン : 「えぇ~。人の建物ですから逆に干渉しにくいなんてところも」

[メイン] ゼーレン : 「そうだったら外観で終わりですねー」

[メイン] キノ : 「そうですね、ボクもそれで満足して、20万円ともさようならです」

[メイン] ゼーレン : なんて話していると噂の家が見えてくる

[メイン] キノ : 「着きましたね」
大きな瞳を向けると。

[メイン] GM : 空は青く、少し風が強い。

[メイン] GM : 小鳥が鳴き、木々は快い程度にざわめき立てる。

[メイン] GM : 目的の空き家前には探索者が集まっていた。

[メイン] キノ : 「生い茂ってますね」
建物を見上げて、最初に漏れた感想が、それだった。

[メイン] ゼーレン : 「空き家だとよくあることですね」

[メイン] ゼーレン : 「だからと言って空き家とは限りませんが」

[メイン] ゼーレン : 扉に手を伸ばし鍵の有無を確かめる

[メイン] キノ : これだと、住んでいるかも、とは思いにくくも、ゼーレンの言うように、管理が杜撰だった、なんてオチもあり得る。どっちにも、全然転がる。

[メイン] GM : ゼーレンが玄関の扉に手をかける。
どうやら鍵は開いているようだ。

[メイン] ゼーレン : 「あ~~~開いてます」

[メイン] キノ : 「あれ、空き家であれば戸締りしてあるのが、普通かなとは思いますが……」

[メイン] ゼーレン : スマホを取り出しわざとらしく
「鍵が掛かってないなんて中で何か起きているのかも~」

[メイン] キノ : とは言え、お化け屋敷扱いされているのだ、もう誰かが鍵を壊した、なんてこともあり得る。

[メイン] ゼーレン : スッと調子を戻し

[メイン] キノ : ゼーレンの振る舞いを見て、この国における『タテマエ』というものを見やって、見様見真似で声を繕う。

[メイン] キノ : 「大変ですね、住んでいるの方の様子を見に行かなければ」

[メイン] ゼーレン : 「えぇそれでは」

[メイン] ゼーレン : 扉を開く

[メイン] キノ : 多分、これで面目と言えばいいのか、大義と言えばいいのか、まぁ、繕えたんじゃないかな。

そして、ゼーレンに続くように、中の様子を見やる。

[メイン] GM : 扉を開け中に入る。
キィ…とやや鈍い音を立てながらも、難なく扉は開いた。

[メイン] 少女  : そこには一人の少女が立っていた。

[メイン] 少女  : 「………」

[メイン] ゼーレン : 「………」

[メイン] キノ : これには、驚いた。不意を突かれた。
まさか、玄関でいきなり出くわすだなんて思わなかった。

[メイン] キノ : 「……… ……鍵、開いてましたよ?」
苦し紛れに、言葉を繕う。苦々しい表情で。

[メイン] GM : 探索者の前に立つ制服の少女。彼女の顔は白く、まるで生気が感じられない。
果たして彼女が噂の亡霊なのだろうか…?SANc(1/1d3)。

[メイン] キノ : 1D100<=80 正気度ロール (1D100<=80) > 50 > 成功

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 80 → 79

[メイン] ゼーレン : CCB<=60 (1D100<=60) > 73 > 失敗

[メイン] ゼーレン : 1d3 (1D3) > 3

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 60 → 57

[メイン] キノ : タテマエというものを、続ける。
ただ、どうにも、どう表現すれば分からない悪寒が迸った。

[メイン] キノ : 目の前にいる少女には、血が通っていないように見えた。
それが、先入観から生じて、そう見えているだけなのか、それとも……なのか。

[メイン] キノ : 今すぐには、分からなかった。

[メイン] キノ : 「……いや、そうじゃないですね、申し訳ありません」

[メイン] キノ : 「すぐに引き返します」

[メイン] 少女  : 「お待ちしておりました」
キノの言葉はまるで聞こえていないようで、少女は探索者たちの目を見つめて話しかける。

[メイン] 少女  : そしてそのまま背を向け、
「どうぞおあがりになってください」と言うと
そのまま廊下をまっすぐ抜けて行く。

[メイン] キノ : 「………」
その背を見て、目を細める。

[メイン] ゼーレン : 「これは……」

[メイン] ゼーレン : 「お嬢さんお名前伺っても~?」

[メイン] 少女  : ゼーレンが声をかけるも足を止めずに、廊下を進んでいく。

[メイン] キノ : 「……歓迎、されているようですし」

[メイン] キノ : 「とりあえず、着いていってみます?」

[メイン] キノ : これが、歓迎によるものなのかどうかは分からない。
さらに言えば、『お待ちしておりました』と。
まるで、自分達が訪れることを、先んじて知っていたかのように。

[メイン] キノ : ハッキリ言って、不気味だった。

[メイン] ゼーレン : 「そりゃあ」

[メイン] キノ : ただ、不気味ではありつつも、好奇心の芽は潰えていないわけで……。

[メイン] ゼーレン : 「これがきっと噂の中身なんですから」
怪しい笑顔を浮かべ上がりこむ

[メイン] ゼーレン : 「日本では靴は脱ぐものなので」

[メイン] キノ : 「ええ、もちろん。ありがとうございます」
礼には礼を。靴を脱ぎ、揃えて。

[メイン] キノ : 「お邪魔します」
きっと、少女からの返事はないだろうが、儀礼の言葉を添えながら、少女の後を着いていく。

[メイン] ゼーレン : 廊下の先へ進んでいく
もう幽霊屋敷にいるつもりだ

[メイン] ゼーレン : きょろきょろと中を見回してしまう

[メイン] GM : ドアを閉め、探索者が少女のあとを追うと、そこは【リビング】。

[メイン] GM : 中央に【机】と椅子があり、隅にはソファやテレビなど生活感のある家具が設置されている。しかしそのどれもが劣化していたり蔦が絡まったりしている。

[メイン] キノ : ……手入れが、施されていない。

[メイン] ゼーレン : 少女はいますか?

[メイン] 少女  : 「お茶をお出ししますのでおかけになってお待ちください」

[メイン] 少女  : 少女はそう言い残し、キッチンへ背を向ける。

[メイン] ゼーレン : 「おかけに……ですかぁ」

[メイン] キノ : 「……まるで、自動人形のようですね」
少女の行方を目で追い、キッチンへと消えていくのを確かめた後、そう漏らす。

[メイン] 少女  : 少女はカチャカチャと音を立て、食器を用意しているようだ。

[メイン] キノ : しかし、埃っぽい。おかけするにも、服が汚れてしまう。

[メイン] ゼーレン : 「幽霊には詳しくないもので…生きてた頃の繰り返しでしょうか」と声を潜め尋ねる

[メイン] キノ : 「……まさか」
まだ、確定はしていないはず。幽霊が実在するとは、まだ信じ切れない。
同じく声を潜めながら、そう返すと……手が、机へと触れる。

[メイン] キノ : 蔦の感触が指に触れ、ついそちらに目をやる。

[メイン] キノ : CCB<=95 目星 (1D100<=95) > 100 > 致命的失敗

[メイン] GM : キノが机を見ると、大きな蜘蛛が目に入りました。
その蜘蛛のお腹の模様が人の顔のように見えてゾクリとしてしまいSANc(1/1d3)。

[メイン] キノ : 1D100<=79 正気度ロール (1D100<=79) > 67 > 成功

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 79 → 78

[メイン] GM : また、蜘蛛の下に大学ノートが置かれていることに気がつく。
表紙には何も書いていない。

[メイン] キノ : 「うおっ……!?」
柄にもなく、驚いてしまう。雰囲気に圧されてしまっているのだろうか、と思うも、また目につくは、ノート。

[メイン] キノ : 「……?……ゼーレンさん、これは……?」

[メイン] キノ : ノートをぱらりと、開いて。

[メイン] ゼーレン : 「なにか書いてありますか~」
と覗き込む

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 目星と聞き耳が一緒になったやつ→机 一応 (1D100<=85) > 22 > 成功

[メイン] GM : パラパラとページをめくってみる。ところどころが破れており、
鉛筆で描かれた字がこすれ、かすんでいる。震える字で以下の内容が綴ってあった。

[メイン] GM : 「 に
    げ

   
    て」

[メイン] ゼーレン : 「逃げてですってrun away」

[メイン] キノ : 「………!」
その三文字は、胸騒ぎを起こすには十分過ぎるほどだった。

[メイン] GM : 《オカルト》または《アイデア》で追加情報が出ますね。

[メイン] キノ : CCB<=60 アイデアチャレーンジ (1D100<=60) > 52 > 成功

[メイン] ゼーレン : CCB<=75 アイデア (1D100<=75) > 62 > 成功

[メイン] GM : ノートをよく見ると、こすって文字を無理やり消しているように見える。次のページをめくり、筆圧の跡を確認すると、もともとは別の4文字が書いてあったように感じられた。

[メイン] GM : 「 た
     す

   け
    て」

[メイン] ゼーレン : 「デキすぎですよこれ…」

[メイン] キノ : 「……そういう催しと後から知らされてもおかしくないくらいですね」

[メイン] キノ : その警告と、その救命要求は、偽と見るには……あまりにも、生々しく見えた。

[メイン] GM : ゼーレンがリビング内を見回すと、机や椅子はボロボロではあるものの埃は乗っていない。どうやら頻繁に使用しているか、あるいは掃除がされているのだろう。他の家具も同様に綺麗にされているように感じる。

[メイン] ゼーレン : 「目に映るあの子がどうも判断を難しくさせますね」

[メイン] ゼーレン : 「机も床もキレイで、残してこいつが残してある理由も私にはどーうも今一つ」

[メイン] ゼーレン : 「ねぇ?そんなに残すものじゃないでしょうに」

[メイン] キノ : 同じくであった。皆目見当がつかず、手に取ろうにも靄を掴んでいるようで……。

[メイン] キノ : 「掃除好きであれば、猶更……でしょうね」

[メイン] キノ : 来客の、目に見えるすぐ近くに、このようなものを置いておく心理も、よく分からない。

[メイン] キノ : 「ズボラで、粗暴な性格なら、それなりに線は繋がりますけど」

[メイン] キノ : 「……あの少女は、どうにもボクの目には、そうは見えない。むしろ、几帳面な……」

[メイン] ゼーレン : 「た~しかに私の部屋は帳簿や書類が山ずみで」

[メイン] ゼーレン : 「ですねぇ…」

[メイン] 少女  : しばらくすると少女はお茶を入れ終えたのか、机のほうへ歩いてくる。

[メイン] 少女  : トレーには人数分の紅茶を机に置くと、
「どうぞ、お飲みになってください」と探索者に微笑みかける。

[メイン] 少女  : しかしその表情は硬く、機械が微笑んでいるようにさえ感じた。

[メイン] キノ : 「……」
行動には、すぐには移せず、黙し止まる。

[メイン] キノ : 訝しげに、差し出された紅茶を見やる。

[メイン] ゼーレン : 「どうもありがとうございます~」

[メイン] GM : 甘くて落ち着く香りのする、真っ赤な紅茶だ。

[メイン] ゼーレン : 「お嬢さんはお飲みにならないので?」

[メイン] ゼーレン : もう一度少女に話しかけてみる

[メイン] 少女  : ゼーレンが言葉をかけても、少女はその機械のような微笑みを向けて黙ったままでいる。

[メイン] キノ : カップを手に取り、鼻の傍で、すんすんと嗅ぐ。

[メイン] ゼーレン : 「はぁ…」

[メイン] キノ : 「……ボク達は、これは、『何』を試されているのでしょうかね」

[メイン] ゼーレン : 「意図があるかすら…」

[メイン] キノ : 明らかに異様な室内、異様な少女の振る舞い。
そして、差し出された、真っ赤な紅茶。
旅人ですらなくとも、これは簡単に飲んではならないと踏み止まるだろう。

[メイン] ゼーレン : 「まぁ追加2万で私だけ頂きますけどねぇ~」
ニタと欠けた歯が映る

[メイン] キノ : 「……逞しいですね」
そんな様子に力みが失せ、キノも僅かに微笑む。

[メイン] キノ : 「こんな時でも、商いに目を光らせるのですから」
だからこそ、キノはその人種を同行者として選んだ。

[メイン] キノ : 実利の為に動く、それ以外では動かない。
そういった分かりやすさが、彼らの『信用』に繋がる。
だからこそ、取引する相手も、『安心』できる。
彼らは、そうやって社会を生き延びてきているサバイバーだ。

[メイン] ゼーレン : 「まだ入ったばかりですから」
この紅茶1つでどうこうなることはない
なったとしてもすぐに出られるだろう そう踏んだうえでの話

[メイン] キノ : 「それもそうですね」
キノにも当然、『備え』はあった。
危険に遭うことは、何度もあった。薬物を投与されかけることもあった。

[メイン] キノ : 「では、いただきましょうか」
で、あるならば。

今は、この旅をむしろ、愉しんでみよう。

[メイン] GM : 紅茶に口をつけた探索者はその優しい味と程よい渋みに安堵感を得るだろう。ほのかに甘い紅茶。口にした探索者は徐々に気分がほわほわとしていき、次第に多幸感に包まれる。声を出す間もなく視界がグニャグニャと歪んでいき、鮮やかな色の煌めきが探索者の視覚をジャックする。SANc(1/1d6)

[メイン] キノ : 1D100<=78 正気度ロール (1D100<=78) > 90 > 失敗

[メイン] キノ : 1d6 (1D6) > 1

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 78 → 77

[メイン] ゼーレン : CCB<=57 (1D100<=57) > 86 > 失敗

[メイン] ゼーレン : 1d6 (1D6) > 4

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 57 → 53

[メイン] キノ : ─────彼女は、一体ボクをどこへ誘うのだろうか。
揺れ動く頭の中、意識がぷちり、ぷちりと切れていく中……。
そう、思った。

[メイン] GM : 気が付くと探索者は花畑の上に立っていた。

[メイン] キノ : 花の蜜が、意識の覚醒を促す。
解放的な風が、頬を沿っていく。

[メイン] キノ : 「ゼーレンさん、商人である貴方に、まずは聞いてみようかなと思います」

[メイン] キノ : 「明らかに異様な紅茶を服用され、そして今、ボク達の目の前に広がっているのは」

[メイン] キノ : 「それはそれは見事な、鮮やかな、心休まる花畑」

[メイン] キノ : 「どう思います?」

[メイン] GM : 探索者は何とも言いようのない恍惚感と高揚感に包まれている。
どうやらこのお花畑がそうさせているように感じるし、
探索者はずっと永遠にここにいたい…と思うことでしょう。

[メイン] ゼーレン : 「はい素晴らしいもので」

[メイン] ゼーレン : 「紅茶を飲んだという記憶がなければまさに極楽」

[メイン] キノ : ゼーレンの返答に、キノは『同意』をしてしまう。
二つの思考が、キノの脳裏に存在していた。
これは、明らかな薬物だ、幻覚だ。というものと、それはそうと、なんて心地良いのだろうかと、今すぐにでも駆け出してみたいなというもの。

[メイン] ゼーレン : 「キノさんも同じでしょう?こうまでなるのは…」
「初めてです」

[メイン] キノ : 蝕まれてしまっていた。冷静にそう判断した。快楽に浸かっていた。

[メイン] キノ : 「ええ、その通りです。薬物への耐性はあるんですけどね」

[メイン] キノ : 「初めてです」

[メイン] GM : とはいえ探索者は《目星》《聞き耳》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : 花に手を伸ばし一本手折る
胸ポケットにでも入れておこう

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 目星あわせた~の (1D100<=85) > 94 > 失敗

[メイン] GM : 花畑はどこまでも続いている。

[メイン] キノ : CCB<=95 聞き耳 (1D100<=95) > 39 > 成功

[メイン] GM : 花畑からは甘い香りがしている。
遠くから「おーい」と探索者を呼ぶ声がする。

[メイン] キノ : 「……おや」
花々の揺れる音、風の吹き抜ける音、集う蜜蜂がいれば、その羽音を聞くために耳を立てると。

[メイン] キノ : 声の主へと、顔を向ける。
ゼーレンへも、手招きをして呼びかけながら。

[メイン] ゼーレン : 「なにかありましたか~」
キノの目線の先へ目を向ける

[メイン] 少女 : 探索者が花畑の奥に視線を向けると、そこには少女が立っていた。

[メイン] 少女 : 少女は花のパラソルを両手で持っており、探索者に駆け寄ると
「楽園へようこそ!」と微笑みかける。

[メイン] キノ : 驚いたように、目を少し丸くさせつつ。

[メイン] キノ : 「これは、どうも ……キミは、この花畑の所有者かな?」

[メイン] ゼーレン : 「いや別嬪さんがまた一人」

[メイン] ゼーレン : 驚いた顔で少女を見ている

[メイン] 少女 : 「こんにちは。お客様方」

[メイン] 少女 : 「いいえ。この楽園の所有者は私ではないわ」

[メイン] キノ : さっきの機械応答のような少女とは違う。応答ができる。それにも少し吃驚しつつ。

[メイン] キノ : 「じゃあ、キミは一体……?それに、ここは?」

[メイン] ゼーレン : 「素晴らしい花畑…「楽園」って名前で…」

[メイン] 少女 : 「私はミラ。このお花畑で暮らしているの」

[メイン] 少女 : 「そうよ。ここは楽園、みんな幸せに暮らしているの」

[メイン] キノ : 「ミラ…… すると、キミは」

[メイン] キノ : 「ひょっとして、森名ミラ……という名前かい?」

[メイン] 少女 : 「…あら?あなたとはお知り合いだったかしら?ええ、その通りよ」
少々驚きつつも、ニコリと微笑みを見せて。

[メイン] キノ : 「ああ、いや…… ……お兄さんと、知り合いで」

[メイン] キノ : キノは、正直言えば、困惑の中にあった。

[メイン] ゼーレン : オーと驚いた顔でそれを見ている

[メイン] キノ : やはり、オカルト掲示板にあった、兄妹の内、妹が服毒自殺、というのは……嘘、だったのだろうか。

[メイン] ミラ : 「…おにいちゃんの知り合いなの?」

[メイン] キノ : いや、しかしそう結びつけるには、状況がノイズだった。
みんなが、幸せに暮らしている……『楽園』……?
あの家のどこに、この場所へ通じる道が、あったのだろうか……。

[メイン] ゼーレン : 答えに詰まっている間に
「みんなと言っていらっしゃいましたが、他にどれほどの人がこちらに」

[メイン] ゼーレン : まさか幽霊屋敷の噂を聞いて入った全員がここに…?まさかまさか

[メイン] ミラ : 「そうね…数え切れないほどたくさんの人よ」
「向こうの方にみんないるわ」
花畑の遠くの方を指差して。

[メイン] キノ : 指差す方へ、キノも目を向ける。

[メイン] ゼーレン : 「は~~どれどれ」

[メイン] GM : 花畑はどこまでも続いている。果ては見えない。

[メイン] ゼーレン : 数えきれない
噂は1ヶ月ほど せいぜい30人がいいところ
数えきれないとは

[メイン] ゼーレン : 「遠そうですねぇ。迷ってしまいそうだ」

[メイン] キノ : 「……ええ、良い場所だとは、ボクも思うんですけどね」

[メイン] ゼーレン : ポンと手を打ち
「だからこちらまで来て下さったのでミラさん」

[メイン] ミラ : 「そうでしょう?このお花畑を美しいと思ってくれて嬉しいわ」

[メイン] ミラ : 「ええ。新しいお客様だもの、大切にしなくてはいけないわ」

[メイン] ミラ : 「そしてあなた達もずっとここで暮らすといいわ。ずーっと幸せでいられると思うわ!」

[メイン] キノ : 「……ミラさん、それは……」
ミラの方へと、静かな顔を向けると。

[メイン] キノ : ゆっくりと、首を横に振るう。

[メイン] キノ : 「それは、できない」

[メイン] キノ : 「ボクは、滞在期間を3日間と決めているんだ。たとえ、どんなに素敵で、どんなに素晴らしい場所であっても……ね」

[メイン] ゼーレン : 「おぉ?」
となりにいる旅人の顔を眺める

[メイン] キノ : 「それに……ミラさん、いいのかい?」
じっと、緑の瞳が向けられて。

[メイン] キノ : 「お兄さんが、心配してしまうかもしれないよ」

[メイン] ミラ : 「…それは残念ね、どうしても駄目かしら?」
「…とと、その心配はないわ」

[メイン] ミラ : 「だっておにいちゃんももうすぐ来るもの」

[メイン] キノ : 目を細めた。

[メイン] ゼーレン : 「それなら心配はいりませんねぇ。うんうん」

[メイン] キノ : その意味が成すところは、つまりは─────。

花々が送る高揚の中、ひりりとした感触。心臓に触れたカッターのような。

[メイン] GM : 《POW*5》を振ってください。

[メイン] ゼーレン : おお

[メイン] キノ : CCB<=80 POW×5
えい (1D100<=80) > 97 > 致命的失敗

[メイン] キノ : ファンヴルが多すぎる!

[メイン] ゼーレン : CCB<=60 POW*5 (1D100<=60) > 90 > 失敗

[メイン] GM : 探索者はこのお花畑に居続けてもいいと思ってしまう。SANc(1d6/1d20)。

[メイン] キノ : 1D100<=77 正気度ロール (1D100<=77) > 1 > 成功

[メイン] キノ : ええ…1クリった

[メイン] ゼーレン : おお

[メイン] キノ : なすのクリ温情くれ

[メイン] ゼーレン : CCB<=53 (1D100<=53) > 18 > 成功

[メイン] GM : いいですよ。
このあと描写します。

[メイン] キノ :

[メイン] GM : 彼女の甘美な言葉は探索者の心をつかみ、恍惚感に包まれている探索者は密に群がる蝶のように、彼女の傘の下へ吸い寄せられていくだろう。

[メイン] ゼーレン : 1d6 (1D6) > 4

[メイン] キノ : 1d6 (1D6) > 1

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 53 → 47

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 77 → 76

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 47 → 49

[メイン] ゼーレン : 「向こうですか~歩いている間も花畑で楽しいでしょうね~」

[メイン] キノ : 「─────……ええ。そうですね」
微睡み、思考はゼリー状のように溶ける。蕩けた瞳のまま、芯の無い返事。

[メイン] キノ : ふらりと、食虫植物の放つ香りに誘われる、小さな虫のように……。

[メイン] GM : キノが少女の手を取ろうとしたそのとき。何か大きな力で引き寄せられているような感覚に陥る。それは力任せで強引極まりないものであったが、不思議と抵抗する気は起きなかった。

[メイン] キノ : 「─────うあっ……!」

[メイン] キノ : 寝起きの、半覚醒状態時に、頭をハンマーでも殴られたような気分。

[メイン] キノ : 星の中央へ引かれる重力に、真っ逆さまに、足掻くこともできず、ただ落ちる。

[メイン] GM : 視界が暗転する…気付くとキノは机の前で目を覚ました。

[メイン] キノ : 「……あれ……ここ、は……」
半身を起こし、蕩けた瞼を力づくで開く。

[メイン] GM : リビングには探索者以外誰もいない。
どうやら先ほど紅茶を淹れた亡霊…少女の姿もないようだ。

[メイン] GM : キノの隣では恍惚とした表情でゼーレンが眠りについていた。

[メイン] キノ : 「……ひやひやしましたね。過信は厳禁、強烈な薬物でした」

[メイン] キノ : 眠るゼーレンの体を大きく揺らし、起こそうとする。

[メイン] キノ : 「ゼーレンさん、起きてください、ゼーレンさん」

[メイン] ゼーレン : 「…。!!…」
「あ……」

[メイン] キノ : まだ一押し足りないか、ただ、刺激があれば十分。

[メイン] キノ : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 32 > 成功

[メイン] GM : 1d3ダメージ。

[メイン] ゼーレン : ぐえ

[メイン] キノ : 1d3 (1D3) > 1

[メイン] キノ : ノーダメです

[メイン] ゼーレン : カキン

[メイン] キノ : 頬を、手加減しながら、ぱしりと引っ叩く。

[メイン] キノ : 室内に乾いた音が響く。

[メイン] ゼーレン : 「あぁ………ははぁ」
「おはようございます」

[メイン] キノ : 「ええ、おはようございます」

[メイン] ゼーレン : 「すいませんねぇ…こんなことになるなんて」

[メイン] ゼーレン : 冷たい机ツタに触れながら

[メイン] ゼーレン : 「戻った…ですか」

[メイン] キノ : 「これに関しては、ボクも少し羽目を外し過ぎた、というものです」

[メイン] キノ : そして、頷きながらも、神妙な表情となる。

[メイン] キノ : 「戻りはしましたが、まだボクらは危ういかと思います」

[メイン] キノ : 「何せ、ここまで強力な薬物ですから、おそらくはまだ……」
自分の腹に手を置く。

[メイン] ゼーレン : 「………ですねぇ」

[メイン] ゼーレン : 「森名ミラ……知らない名前ですけど」

[メイン] ゼーレン : 「本当に幻覚だったか…不安に」

[メイン] キノ : 「……」
その答えを、キノは言葉にすることができなかった。

[メイン] キノ : 「……ゼーレンさん、今は……解毒薬を探しましょう」

[メイン] キノ : 「人を殺す薬は、誤って服用した者が対処できるように、解毒薬とセットで作られているものなんです」

[メイン] キノ : 「この屋敷を探せば……もしかしたら、あるかもしれません」

[メイン] ゼーレン : 「自分の命を自分で拾う機会があうのは幸いですねぇ」

[メイン] ゼーレン : 「全力でやらせてもらいますよぉ」

[メイン] キノ : 「ええ、頼りにさせていただきますよ」

[メイン] キノ : 「高いお金払ってるんですからね」
薄らと口角を上げてみせる。

[メイン] ゼーレン : 「はぁい」
欠けた歯が見えた

[メイン] ゼーレン : まずはこのリビングから

[メイン] GM : 探索者がはじめに案内された部屋だ。
飲みかけの紅茶はすでに冷めてしまっている。

[メイン] ゼーレン : まぁ毒ならキッチンでしょう

[メイン] GM : 《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 (1D100<=85) > 93 > 失敗

[メイン] ゼーレン : えぇ…

[メイン] GM : さきほど少女が使っていた調理場で、紅茶のティーパックが置いてある。

[メイン] キノ : 「おや、ゼーレンさん、いい物を見つけましたね」
横から覗き込み。

[メイン] ゼーレン : 「入ってるならこれでしょう」

[メイン] キノ : 「ボクは一応旅人しているので、植物学を稼業にしている人から、ノウハウを教わったことはあるのですが…… どちらかというと、こういう『品定め』は」

[メイン] キノ : 「ゼーレンさんの得意とするところでしょう、成分など調べられますか?」

[メイン] ゼーレン : 「手広くやってますけどねぇ…」

[メイン] ゼーレン : CCB<=50 医学 (1D100<=50) > 13 > 成功

[メイン] ゼーレン : 匂い色そういった情報やパックの出元などを見ていく

[メイン] GM : 紅茶は本当にただの紅茶のようで、ゼーレンには害があるようには感じないだろう。
ただ、先ほど嗅いだ紅茶の香りが書いてある成分とは一致しないことがわかる。

[メイン] キノ : 「いかがでしたか?」

[メイン] ゼーレン : 「まずこのパック、毒じゃないです。」
「で妙な点が1つ」

[メイン] ゼーレン : 「おかしいんですよねぇ…さっきの紅茶の香りとこのパックの中身が一致しない」

[メイン] ゼーレン : 「本来もっと柑橘系のスッとしたい匂いの品種のはずで」

[メイン] キノ : 「……既にすり替えられてしまった?いや、でも……パックの見た目は、同じですね」

[メイン] キノ : まじまじと、パックを見つめつつ、思索して。

[メイン] キノ : 「するとやはり、何か錠剤か、液体か……後から投入した、という線が濃いかもしれませんね」

[メイン] ゼーレン : 「少なくともこれを持って分析して助けてもらうのは難しそうで」

[メイン] キノ : 「簡単にはいきませんね、残念です……」

[メイン] キノ : 気難しそうにリビングを見渡すと、ふと、ソファが目に入る。

[メイン] キノ : CCB<=95 目星 (1D100<=95) > 61 > 成功

[メイン] GM : 少し高級そうなソファーだが、蔦が入り込み深く根を張っている。
キノがソファの下を覗くと本が一冊落ちている。

[メイン] GM : 手に取ってみると、海外旅行の本だったことがわかる。
どうやらペルーの観光ガイドのようだ。

[メイン] キノ : 別に、何か手掛かりになるというものでない。
ただ、なるほどと、心に思う。

[メイン] キノ : ここに住んでいた兄妹が、計画していたのだろうか。

[メイン] キノ : 手に取り、ガイドブックをぺらりと捲る。

[メイン] GM : 本には付箋がビッシリとついている。
付箋のページは「マチュピチュ」に関する観光特集だった。
以下のようなことが書かれている。
「マチュピチュ…奇跡の天空都市。ひときわ有名なのはインティワタナと呼ばれる大岩でしょう。インティワタナには「太陽をつなぎとめる場所」という意味があります。一体なぜインティワタナが造られたのか。太陽暦を決める日時計と言われることもあれば、生贄の儀式が行われた場所という説もあります。近くに太陽の神殿があることや、マチュピチュのてっぺんに建造されていることから、パワースポットとしても有名な観光スポットです」

[メイン] キノ : 「……こんなにも付箋を貼って……綿密に、計画をしていたのでしょうかね」
声のトーンが、薄らと落ちる。

[メイン] キノ : 蔦塗れの、精神を逆撫でする空間の中に見つけた、『日常』の中の……ちっぽけな、贅沢。

[メイン] キノ : 生活を思わせるものがあり、キノはなんとなしに、複雑な感情を抱く。

[メイン] キノ : 当然、ガイドブックには目ぼしいものなどあるはずもない。
ここから汲み取れる情報は、兄妹はここへ行きたがっていたかもしれない、という、それだけである。

[メイン] ゼーレン : 「2階への階段ですねぇ?キノさんはなにかありましたか~」
廊下から声をかける

[メイン] キノ : 「おっと ……ああ、いえ、特に、何も」

[メイン] キノ : 「2階 ……森名兄弟の個室があるかもしれませんね。そこに何か、手掛かりがあるかもしれません、行きましょうか」

[メイン] キノ : ガイドブックを脇に挟みながら、ゼーレンの後を追う。

[メイン] ゼーレン : 「あとは…あの謎の少女が寝てたりなんて」

[メイン] キノ : ─────そして、ホルスターを外すと、中からパースエイダーが顔見せる。

[メイン] ゼーレン : 階段を登る

[メイン] GM : 階段を上ると手前と奥にそれぞれ1つずつ部屋があることがわかる。

[メイン] キノ : 「どちらの気分です?」
左右へ目を配りながら。

[メイン] キノ : パースエイダーへ弾を込める。

[メイン] ゼーレン : 「奥に大事なものがあると思いますねぇ」

[メイン] ゼーレン : 奥の部屋へ向かって足音を立てないように進む

[メイン] ゼーレン : 「……それ。頼りにさせてもらいます」

[メイン] キノ : 「ええ、勿論。ゼーレンさんの身は必ず守りますよ」

[メイン] キノ : 「なので、ご内密に」
自分の唇の上に人差し指を立てながら、ゼーレンの後を、同じく忍び足で続く。

[メイン] GM : 部屋は窓ガラスこそ割れているものの、とてもきれいに整頓されている。
スポーツ選手のポスターなどが張られており、男性の自室のように感じる。

[メイン] キノ : 「……お兄さんの部屋、でしょうね」
警戒した目つきで、部屋を見渡す。中には、他に人物らしき者はいないようだ。

[メイン] ゼーレン : 「森名陸人さん…どこに引っ越したんでしょうね」

[メイン] ゼーレン : 「荷物を持ち出したようには見えないですけど」

[メイン] ゼーレン : 本棚に近づいていく

[メイン] キノ : 「……」
言われてみれば、その通りである。家出をするにしても、荷物が数多く残っているように見える。

[メイン] GM : ゼーレンは《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85  (1D100<=85) > 69 > 成功

[メイン] GM : 本棚には漫画やスポーツ誌がたくさん並んでいる一方で
数冊だけ陳列している医療系の本が際立つ。
これらの本はかなり読みこまれているためかだいぶページがよれている。

[メイン] GM : 追加で《医学》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=50  (1D100<=50) > 91 > 失敗

[メイン] キノ : 人類学で代行したいですー
見様見真似ー

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] キノ : CCB<=82 人類学 (1D100<=82) > 48 > 成功

[メイン] GM : ページの折り目などから筋萎縮性側索硬化症というページに目が留まる。
運動神経細胞という、筋肉を動かす命令を伝える神経に障害が生じることで発症する病気で、治療法が確立していないことから難病指定されている。筋力が低下していき、進行すると歩行困難や寝たきりの生活が余儀なくされ、食事や呼吸も困難になっていく。

[メイン] キノ : ゼーレンが探す本棚を、同じくキノも目を通し、目についた本を幾つか開いていく。

[メイン] キノ : その中で……おそらく、一番読み込まれているであろうページが、見つかる。

[メイン] ゼーレン : パラパラと他の本をめくったりしながら

[メイン] ゼーレン : となりで止まったページを覗き込む

[メイン] キノ : 「……ゼーレンさん、これは……もしかしたら」
真剣な表情で、眉を顰める。

[メイン] キノ : 「お兄さんは、病院にいるかもしれませんね……」

[メイン] ゼーレン : 「難病ですねぇ」

[メイン] キノ : こくりと、頷く。重々しく。

[メイン] ゼーレン : 「妹さんが亡くなり、兄さんが動けないとなればまぁ…今のこの家の外見は納得できます」

[メイン] ゼーレン : 「しかしそれだけじゃただの空き家で終わるはず…」

[メイン] キノ : 「……何か、第三者の介入があるかもしれませんね」

[メイン] キノ : 本をぱたりと閉じ、仕舞う。

[メイン] GM : 《幸運》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : 他になにかあるといいんですけどー
と机の方へ

[メイン] キノ : 「……それにしても、本当に生々しいですよ」

[メイン] キノ : CCB<=80 幸運 (1D100<=80) > 60 > 成功

[メイン] GM : 本を戻そうとしたとき一枚の紙切れが落ちる。
その紙切れには一人の人間のとりとめのない悩みについてびっしりと書かれている。

[メイン] GM : 紙の裏には走り書きでこのようなことが書かれている。
「俺が生きることを考えるな。未来がある妹に託せ。俺にできることを考えろ。」

[メイン] キノ : 「…………」
ひらりと落ちた紙を拾い、その内容を目に通すと、眉を深く顰める。

[メイン] GM : 机には《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 めぼーし (1D100<=85) > 18 > 成功

[メイン] キノ : ─────立派な、お兄さんじゃないですか。
キノは、心の中でそう呟いた。

[メイン] GM : 机にはカレンダーとともに写真が立てかけられており、
兄妹とみられるふたりが写りこんでいる。

[メイン] ゼーレン : 「これが森名兄弟…」

[メイン] ゼーレン : 写真を手に取りキノに見せる

[メイン] ゼーレン : 「幸せと言っていいんじゃないでしょうかねぇ」

[メイン] キノ : 「……そうですね」

[メイン] キノ : 「とても……希望に満ちた目をしているように、見えます」

[メイン] キノ : 眉尻を、薄らと下げながら、小さな声でそう言った。

[メイン] キノ : しかし、この兄妹の未来は、おそらくはもう既に、絶たれている。

[メイン] キノ : 「……あまり気分の良いものじゃないですね」

[メイン] ゼーレン : 「そうでしたかぁ」

[メイン] ゼーレン : 写真を懐にしまい

[メイン] ゼーレン : 「と言ってもお兄さんが何かしたようには見えないですねぇ」

[メイン] ゼーレン : 「何もないですし」

[メイン] ゼーレン : 「……となりですか」

[メイン] キノ : 重々しく、頷く。

[メイン] キノ : 「……そういうことに、なりそうですね」

[メイン] キノ : 再び、パースエイダーを構えながら、もう一つの部屋へと、静かに向かう。

[メイン] GM : どうやら女の子の自室のようだ。
壁には制服や女性用の服が掛かっており、机や本棚、ベッドがある。

[メイン] キノ : これまた、室内には人影の一つも無い、警戒した目つきは、一旦は解け。

[メイン] キノ : 「妹さんの部屋です。 ……ここに、解毒薬があれば ……いいのですが」

[メイン] ゼーレン : 「実は紅茶を入れた彼女がいるんじゃないかとドキドキしてましたよ」

[メイン] ゼーレン : 「探しますかぁ…失礼しますっと」

[メイン] ゼーレン : 机の上

[メイン] GM : 《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 (1D100<=85) > 95 > 失敗

[メイン] ゼーレン : クエ

[メイン] キノ : CCB<=95 目星 (1D100<=95) > 56 > 成功

[メイン] GM : 机には筆記用具と共に日記のようなものが置いてある。
日記には以下のような内容が綴られている。

[メイン] GM : 「おにいちゃんがたおれた。絶対になおらない病気といわれた。
身体が全部動かなくなって死んじゃう。だいすきなおにいちゃんが死んじゃう。
いやだよ。いやだよ。いやだよ。いやだよ。」
まだ続きがある。読みますか?

[メイン] キノ : 「………」
深刻な面持ちで、そしてゼーレンへも見せながら。

[メイン] キノ : ─────キノには、その選択肢は無いも同然だった。

[メイン] ゼーレン : 「愛が深かったようですね…」

[メイン] ゼーレン : きっとこのあとは自殺に繋がっていくのだろうと

[メイン] キノ : 「……ええ。……『家族』というのは、きっと、それだけ……」

[メイン] キノ : あの写真の笑顔を思うと、心が痛む。

[メイン] ゼーレン : 予期しながら次のページを待つ

[メイン] キノ : ぺらりと、頁を捲る。

[メイン] GM : 「教えてくれた。あの人が。おにいちゃんのなおし方。
根っこでお茶を入れて飲めばいいんだって。絶対わたしがおにいちゃんを助けるからね。
もうちょっと待っててね。おにいちゃん。もうちょっとだけだから。」
まだ続きがある。読みますか?

[メイン] ゼーレン : 「………?!?」

[メイン] キノ : 目を細める。

[メイン] キノ : 「……『あの人』、そして……『根っこ』」

[メイン] キノ : 「匂う言葉。おそらくは……ここが、核心ですね」

[メイン] ゼーレン : 「予想外ですねぇ…なにかした結果が…」
家の中まで入り込んだツタを思い出す

[メイン] キノ : こくりと、頷く。

[メイン] キノ : そして……頁を捲る。

[メイン] GM : 「遠い星の人と交信しなきゃいけないの。あの人はそう言っていた。やらなきゃ。
どうやって交信すればいいのかしら。どうにか方法はないかしら。
もう時間がない。はやく見つけないと…。」
まだ続きがある。読みますか?

[メイン] キノ : 「………」
乖離を帯びる。常軌を逸し始める。この日記の書き手が、狂気に触れ始めている。

[メイン] ゼーレン : 「冗談でしょう…」
普段は霊感商法など旨い商売ではないと笑うが
明らかにこの日記のそれは違うものに見える

[メイン] ゼーレン : 不安を逃がすように言葉を零す

[メイン] キノ : 「……ボクも、そう思いたいです」

[メイン] キノ : キノのトーンは、低く。深刻に。

[メイン] キノ : そして……次の頁へ。

[メイン] GM : 「やっとみつけた」
まだ続きがある。読みますか?

[メイン] キノ : もう、止まる理由は無い。

[メイン] キノ : 捲る。

[メイン] GM : 「̵̝̓T̸̪̄a̸̱͗n̷̰̾d̶̡̎e̵̯̍m̴̠̄ ̶̥̅ȏ̴̮b̵͉͘t̶̩͒i̶͔̎n̸̘̏ủ̷̯ï̴̲ț̷͗ ̶̫̾ṡ̶͙ŭ̷͈ḇ̴͂s̶̝̈́i̶͜͝d̷̞͛i̶͔͋a̴̜̍ ̸͖͗a̷̖͊d̵̢̔ ̵̲̈́v̶̙̿i̷̜͒v̶̬̒ī̸̹f̵͉̔i̵̱̔ċ̴̞a̸͈͒n̶͚̽d̶̤̈́ù̷̠m̷͎̕.̷͕̓ ̴̨̛G̷͈̓r̷͆͜á̵̤t̴̞͊í̵̬a̷͉̎s̸̯͝ ̴̡̈́ą̷͆g̴̟͆ī̶̢m̸̘͠ù̴ͅs̶̬̀ ̴̛̖t̸̗̋i̶͇͌b̸̦͠i̶͈̍.̴̟̋」

[メイン] GM : 探索者は続きの文章を読むことができない。
文字を眺めているだけでクラクラと眩暈がしてくる。SANc(1d3/1d6)。

[メイン] キノ : 1D100<=76 正気度ロール (1D100<=76) > 80 > 失敗

[メイン] キノ : 1d6 (1D6) > 5

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 76 → 71

[メイン] ゼーレン : CCB<=49 (1D100<=49) > 100 > 致命的失敗

[メイン] ゼーレン : 🌈

[メイン] キノ : 🌈

[メイン] ゼーレン : 1d6 (1D6) > 3

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 49 → 46

[メイン] キノ : CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 66 > 失敗

[メイン] GM : この日記はこれ以上読まないほうが良いと感じた探索者は日記を閉じ、机に伏せた。

[メイン] キノ : 「はぁ……はぁ……!」
脂汗が滲み、胸を上下させる。

[メイン] キノ : 「……囁かれてしまったか……!」

[メイン] ゼーレン : 「これは……毒ですねぇ…」
当てられ疲労し肩で息をしている

[メイン] ゼーレン : 「服毒自殺と聞いてましたが…ハァ………きっとこの知識の毒から彼女は」

[メイン] ゼーレン : 首を振る

[メイン] キノ : 「……点と点が、結ばれていきましたね。 ……虚しくも」

[メイン] キノ : 悪人であれば、自業自得で悪魔の囁きに乗り、その結果非業を遂げたところで、それは自業自得だと、キノはシニカルに伏すも……今回のケースは、違う。

[メイン] キノ : 兄を思う妹が、家族を思うからこその、その善性の為に、悲劇が起きた。
……こんなことが、あっていいのだろうかと、歯噛みする。

[メイン] ゼーレン : 「ふ~私たちの飲んだソレも解毒薬があるかどうか…」

[メイン] ゼーレン : 「怪しいですねぇ~」

[メイン] キノ : 「無ければ、ボクらの旅路はそれで……おしまいですよ」
肩を僅かに竦めながら。

[メイン] ゼーレン : 頭を掻き、なにかないか 合ってほしいと漁って行く

[メイン] ゼーレン : 「なにかなにか…」

[メイン] ゼーレン : 机引き出し

[メイン] GM : 《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 (1D100<=85) > 38 > 成功

[メイン] GM : 引き出しの中には一冊の本が置いてある。
紙の束を紐でまとめたようなもので、表紙は染色した革のようだ。
また、その真っ黒の表紙には「AL AZIF」と書かれている。

[メイン] ゼーレン : 開いてそ~っと中を見ます

[メイン] GM : 写本のようで、英語で書かれているようだ。英語技能があれば3時間程度で読むことができるが、辞書などで翻訳しながら読むのであれば最低でも12時間はかかるだろう。

[メイン] ゼーレン : 「………怪しい本。今じゃないんですよぉ」

[メイン] ゼーレン : 見つけた本を机の上に置きさらに部屋を探索していく

[メイン] ゼーレン : 本棚

[メイン] GM : 《目星》を振れますね。

[メイン] ゼーレン : CCB<=85 (1D100<=85) > 62 > 成功

[メイン] GM : 本棚には天体に関する本と宗教的な本、英和辞書などが並んでいる。

[メイン] GM : 内容は気になるものはない。

[メイン] キノ : ゼーレンが机の上に置いた、精神を逆撫でする書物へ、目を細める。

[メイン] キノ : 「………」
きっと、開いてはならないもの。見てはならないもの。そう本能が、囁きながらも……。

[メイン] キノ : 火中の栗を拾うには、多少の火傷も覚悟が必要だ。

[メイン] キノ : 人類学で代行します

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] キノ : CCB<=82 人類学 (1D100<=82) > 53 > 成功

[メイン] キノ : 素敵だね

[メイン] GM : 習得できる呪文は「支配」(259p)。SANc(1d10/2d10)。クトゥルフ神話技能+6付与。

[メイン] キノ : 1D100<=71 正気度ロール (1D100<=71) > 30 > 成功

[メイン] キノ : 1d10 (1D10) > 7

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 71 → 64

[メイン] キノ : CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 2 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] キノ : な、なんでここでクリティカル…?

[メイン] GM : 1d10 (1D10) > 1

[メイン] GM : 1 気絶あるいは金切り声の発作。

[メイン] キノ : 「─────ぅ……ぐ……ぁ……」

[メイン] キノ : 物音。キノが崩れ落ちる音だ。冒涜的な書物を床へ落とし、崩れ、意識を失う。

[メイン] ゼーレン : 「キノさん!?」

[メイン] ゼーレン : なにも見つからないといらだちを募らせていたが
それも吹き飛び倒れた彼女のもとへ向かう

[メイン] キノ : 表情は顰め、気を失い、魘されている。

[メイン] ゼーレン : 意識、呼吸を確認し

[メイン] ゼーレン : 生きてることを把握

[メイン] ゼーレン : 頭をよぎるのは先の紅茶が原因の…

[メイン] ゼーレン : 「起きてくださいよぉ」

[メイン] ゼーレン : とできる限りのことをしていく

[メイン] ゼーレン : CCB<=80  (1D100<=80) > 22 > 成功

[メイン] キノ : 「……ぅ……はぁ……はぁ…… ……ま、ずい、意識、失ってましたか……?」

[メイン] キノ : 脂汗を滲ませ、余裕の無い表情で、ゼーレンによって起こされる。

[メイン] ゼーレン : 「そうですって!」

[メイン] ゼーレン : 「大丈夫ですか?花畑まで見えたり」

[メイン] キノ : 首を横に振るう。

[メイン] キノ : 「いえ……ただ、花の蜜は香っていたので、危うかったです……」
袖で、額の汗を拭いながら、呼吸を徐々に落ち着かせていく。

[メイン] キノ : 「ありがとうございます……ゼーレンさん、助かりました」

[メイン] ゼーレン : 「はぁ……」
ほっと息をつく

[メイン] ゼーレン : 「お客様ですから…いや本当に焦りましたよ」

[メイン] キノ : 「申し訳ないですね……ゼーレンさんを守ると約束したというのに、不甲斐ないです」

[メイン] キノ : 再び、パースエイダーを手に取りながら、より気を引き締めて。

[メイン] キノ : 「……ゼーレンさん、この部屋にはあとは、何がありますか?」

[メイン] ゼーレン : 「おおよそ探してあとは…」

[メイン] ゼーレン : ベッドの方を見る

[メイン] ゼーレン : 「流石にないかと後に回していたベッドくらいで」

[メイン] キノ : 「ここまで何も無いと焦りが見えてきますね……念のため、探しましょうか」

[メイン] キノ : CCB<=95 目星 (1D100<=95) > 77 > 成功

[メイン] GM : ふかふかのベッド。キノがベッドサイドを見ると写真立てを見つける。
写真には少女がふたり仲良さげに写っている姿を確認できる。
片方の少女は自信なさげな表情をしており、もう一方は活発そうな印象を受ける。

[メイン] キノ : 「…………」
見つけたものは、残影。かの少女の……在りし日の姿。

[メイン] キノ : 「……妹さんの隣にいるのは」

[メイン] キノ : 見覚えのある顔が、そこにあった。その姿よりも、写真の方が幾分か活力を感じるが。

[メイン] ゼーレン : 「表情が変わると印象が変わりますね…」

[メイン] ゼーレン : 「大人しそうじゃないですか…」

[メイン] キノ : 「……ええ。 ……きっと、この子も、当てられてしまったのかもしれませんね」

[メイン] ゼーレン : 「残念ですね」
それは彼女たちに向けてと

[メイン] ゼーレン : 写真が最後の収穫だったことへの言葉だった

[メイン] ゼーレン : 「2階は見て………1階ですか?」

[メイン] キノ : こくりと頷き。

[メイン] キノ : 「そうですね、もう少し改めて、深く探しましょうか」
そう言いながら、扉の外へ出ると……。

[メイン] GM : 部屋を出ると同時に、突然1階のリビングからバリッと何かが砕けるような大きな音がし、大きな揺れがする。
部屋や廊下を這っていた蔦がシュルシュルと動き出し、また脈動しだす。SANc(1/1d3)。

[メイン] キノ : 1D100<=64 正気度ロール (1D100<=64) > 82 > 失敗

[メイン] ゼーレン : CCB<=46 (1D100<=46) > 16 > 成功

[メイン] キノ : 1d3 (1D3) > 1

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 64 → 63

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 46 → 45

[メイン] キノ : 「……ゼーレンさん、気を付けてください」

[メイン] キノ : パースエイダーを握り、構える。

[メイン] ゼーレン : 地に手を着き答える
「動いてますねぇ…」

[メイン] ゼーレン : 「…おねがいします」

[メイン] キノ : こくりと、頷く。

[メイン] キノ : 真剣な表情となり、物音の一つも立てず、ゆっくりと、階段を降りてゆく。

[メイン] GM : 階段を降り、探索者が音の方に向かうと、リビングの床は大きく砕け、太く大きな蔦が集まっていた。

[メイン] GM : 蔦の中心には青白く膨らんだ巨大な球根があり、朱色の萼が四方に垂れている。

[メイン] 眠れるもの : その中心からは真珠色で美しい身体つきの、小妖精のような姿をしたものが生えていた。SANc(1/1d10)。

[メイン] キノ : 1D100<=63 正気度ロール (1D100<=63) > 52 > 成功

[メイン] system : [ キノ ] SAN : 63 → 62

[メイン] ゼーレン : 「人!?」

[メイン] ゼーレン : CCB<=45 (1D100<=45) > 1 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] ゼーレン : えぇ…

[メイン] system : [ ゼーレン ] SAN : 45 → 44

[メイン] キノ : 「いえ……あれは、人のようで……違う……!」

[メイン] キノ : 眉尻を吊り立て、照準を異形の怪物へと定める。

[メイン] 眠れるもの : この異形は近づいた探索者に気づき話しかけてくる。

[メイン] 眠れるもの : 「ようやく眠りから覚めたが…まだ養分が足りない…あと一口だというのに奴隷は何をやっておる…サバトはもうすぐだというのに」

[メイン] 眠れるもの : 「そなたもわしの養分となるのだろう?そのためにここにおるのだろう。何故あの席から逃げたのだ。おとなしくその身を捧げよ!」

[メイン] 眠れるもの : そういうと異形は朱色の花弁を震わし、甘い芳香を探索者に振りまいてくるだろう。

[メイン] キノ : 「まずい……!」

[メイン] キノ : 腕を口元に覆い、芳香を嗅がないよう抵抗する。

[メイン] ゼーレン : 鼻に香って即座に理解する

[メイン] ゼーレン : 頭を下げ新鮮な空気を求め
「(こいつが飲んだアレの…)」

[メイン] ゼーレン : 「(そういう訳で…)」

[メイン] GM : POW25との対抗ロールどうぞ!

[メイン] キノ : RES(15-25) (1d100<=0) > 自動失敗

[メイン] キノ : 無理じゃないか!

[メイン] ゼーレン : おお

[メイン] ゼーレン : RES(11-25) (1d100<=-20) > 自動失敗

[メイン] GM : 探索者は再び甘い香りにかどわかされ、
多幸感のなかお花畑の世界に辿り着く。

[メイン] ミラ : そこには相変わらず、一人の少女が探索者に微笑みかけてくるだろう。

[メイン] キノ : 「クソ……!また魅入られる……!」
眉間に皴を寄せながら、冷や汗を浮かべる。

[メイン] ミラ : 「あら、またこちらにいらしたの?よかったわ、突然いなくなってしまうのだもの」

[メイン] ゼーレン : 「また…花畑」

[メイン] ゼーレン : 「いやぁ…自分でもなにがなんだか…」

[メイン] キノ : 「……ミラ…… ……違う、ボク達は、来させられたんだ……!」

[メイン] キノ : 「ボク達は、もう知った……キミのやったことを…… そして」

[メイン] ミラ : 「うふふ、そんなに怖がらなくていいわ。ここは楽園だから」

[メイン] ゼーレン : 「誰にとっても幸せで?」

[メイン] キノ : 首を横に振るう。

[メイン] ミラ : 「…あら?そうなの?そういえば色々残していっていたような覚えがあるわね」

[メイン] キノ : 「人を模した、植物型の怪物と出会った」

[メイン] キノ : 「ここは、腹の中……そうだろう?……ミラ!」

[メイン] ミラ : 「ええ。最初はそう思わないかもしれないけれど、いずれあなたたちもここに来て良かったって思えると思うわ」
ゼーレンの言葉に頷きながらそう答えて。

[メイン] ミラ : 「…うふふ。鋭いのね、あなたは」

[メイン] キノ : 「……その顔、その言葉……」

[メイン] キノ : 「騙されてじゃなく、キミは……自らの手で、こんなことをやっているのかい……?」

[メイン] ミラ : 「すべてはあの方のため…あなたたちも出会ったでしょう?」

[メイン] ミラ : 「最初はおにいちゃんを助けるためだったのだけれど、今はもういいの」

[メイン] ミラ : 「おにいちゃんもいずれ、こっちに来ることになると思うから」

[メイン] ゼーレン : 「そうですか……森名陸人さんが来てないと聞いた時から……」

[メイン] ゼーレン : 「残念ですよ」

[メイン] キノ : 「─────待って、ゼーレンさん……」

[メイン] キノ : 表情を、顰めながら、そしてミラをじっと、見やって。

[メイン] キノ : そして、一歩踏み出し、真正面に対峙する。

[メイン] キノ : 「……ミラ、もう一度聞かせてくれ」

[メイン] キノ : 「本当に、そう思っているのかい、キミは」
神妙な面持ちで、真っ直ぐと、刺すように、ミラを見やりながら。

[メイン] キノ : ポケットから……紙切れを取り出す。

[メイン] キノ : 「……これを見てくれ」

[メイン] ミラ : 「…それはなにかしら?」
キノの持つ紙切れを一瞥して。

[メイン] キノ : それは、ミラの兄が残した、負の感情の嵐。

[メイン] キノ : 将来を失いかけ、精神に余裕を来たさなくなったのだろう。
ネガティブな言葉が続いている。

[メイン] キノ : しかし……その中に。

[メイン] キノ : 『俺が生きることを考えるな。未来がある妹に託せ。俺にできることを考えろ。』

[メイン] キノ : 「……キミのお兄さんは、難病のせいで、人生が狂い、絶望の淵に立たされた」

[メイン] キノ : 「もう、何もかもに嫌気を差して、それこそ……狂ってしまいそうになっただろう」

[メイン] キノ : 「だけど……」

[メイン] キノ : 「ミラ ……キミのことだけは、切り捨てていない」

[メイン] キノ : 「難病の中でも、キミの未来を願っている」

[メイン] ミラ : 「………」
「そうね、陸人おにいちゃんはとっても優しい人よ。あなたに言われなくてもわかってるわ」

[メイン] ミラ : 「だから私も必死になって助ける方法を探したんだもの」

[メイン] ミラ : 「でも、もう遅いの」

[メイン] ミラ : 「私があの方に出会う前に、おにいちゃんのそのメモを見つけていれば変わったかもしれないわ」

[メイン] ミラ : 「今はもう、おにいちゃんを助けることよりも」

[メイン] ミラ : 「あの方のために生贄を捧げ続けることしか考えられないの」

[メイン] ミラ : 「…お話しは終わり、サバトは待ってはくれないわ」

[メイン] ミラ : 「さあ、こちらの世界で永遠に暮らしましょう。これが最後のチャンスよ!」

[メイン] ゼーレン : 「キノさん!!」

[メイン] ゼーレン : 今までにあの屋敷へ立ち入ったものが帰らないのはここで飲み込まれて行ったから

[メイン] ゼーレン : そしてそれでもうわさが流れるのは

[メイン] ゼーレン : 食虫植物の如く人を引き寄せる餌になるから

[メイン] ゼーレン : 「早く逃げないと!!」

[メイン] キノ : パースエイダーを、構える。

[メイン] キノ : 「逃げ場所は、もうどこにも無い」

[メイン] キノ : 「だったら……穴を開けてでも、作り出すまでだよ」

[メイン] キノ : ミラという少女は、既に汚染の最中にある。もしかしたら、根の部分まで浸透し、剥がすことは不可能なのかもしれない。

[メイン] キノ : だとしても、誰かを思う魂が、冒涜されるのなら。

[メイン] キノ : 「ボクは、怒るよ。この理不尽にはね」

[メイン] キノ : 旅人は、縛られない。

[メイン] キノ : 照準を─────ミラへと、向けるのだった。

[メイン] GM : 花畑の景色がゆがんでいく。

[メイン] ミラ : 「…さぁ、贄となるのよ」

[メイン] ミラ : 差していた傘を畳み、切っ先を2人へと向ける。

[メイン] GM : これより戦闘ラウンドに入ります。

[メイン] GM : まずはキノから

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 50 → 40

[メイン] キノ : 10発使おう

[メイン] キノ : CCB<=99 マシンガン (1D100<=99) > 89 > 成功

[メイン] キノ : 1d10 ヒット弾数 (1D10) > 6

[メイン] キノ : 6d10+12 ダメージ (6D10+12) > 30[10,5,1,2,9,3]+12 > 42

[メイン] キノ : そして、狙いはミラの脚だ

[メイン] キノ : 無力化を狙う

[メイン] ミラ : ccb<=28 回避 (1D100<=28) > 65 > 失敗

[メイン] キノ : 歪み、芳香の香りが胸焼けを来たす悪夢の中─────銃声が響く。

[メイン] キノ : 薬莢の香りが、薄らと広がり、しぃんとした静寂を作り出す。

[メイン] ミラ : 怪物の眷属になってしまっていても、見た目通りの少女であるミラには飛んでくる数多の銃弾を回避することができるはずはなく

[メイン] ミラ : 「───!?うっ、あっ、あぐっ……」

[メイン] キノ : 痛みに悶えるミラの姿を、眉を顰め、神妙な面持ちで
……その姿から、目を背けないように、見やる。

[メイン] ミラ : その両脚は無残な姿になり果て、傘を杖代わりにしてなんとか姿勢を保っている。

[メイン] ゼーレン : 「ひっ……」

[メイン] キノ : 「……ボクを恨むなら、十分に恨んでくれていい」

[メイン] キノ : 「ボクにとっては、サバトとやらには何の興味も無い」

[メイン] キノ : 「その傷の痛みも、どこの誰でもない、ボクが与えたものだ」

[メイン] キノ : 「癪に障るだろう」

[メイン] キノ : 「……だけど、ミラ」

[メイン] キノ : 「キミを想っていた兄を、忘れてはいけない」

[メイン] キノ : 「そして、何よりも……」

[メイン] キノ : 「キミ自身の、お兄さんを思う気持ちも、忘れちゃいけない」

[メイン] キノ : 「……キミの頑張りが、非業に転がっていいわけがないでしょ」

[メイン] キノ : 「ミラ─────ボクを、帰してくれるかい」

[メイン] ゼーレン : 「なに言ってるんですかぁ!?」

[メイン] ゼーレン : 「返してくれるわけ……」

[メイン] ゼーレン : 「それならこんなことになってない…」

[メイン] ミラ : 「うふ…うふふふふふ…」
少女は狂気の笑みを浮かべる。脚の大怪我など気にしていないように。

[メイン] ミラ : 「帰りたいなら勝手に帰りなさい。私が帰しても、またあの方があなた達をこの楽園へ寄越すはずよ」

[メイン] ミラ : 「その時にまた会いましょう」

[メイン] キノ : 「─────ええ、また」

[メイン] キノ : 「次、お会いできたその時には……」

[メイン] キノ : 「お茶でも、飲みましょうか」
不敵に、微笑を浮かべた。

[メイン] キノ : そして、キノはパースエイダーへと装填を行った後……目を、閉ざす。

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 40 → 50

[メイン] キノ : 両腕を軽く広げると、そのまま……歪んだ花畑へと、真後ろに倒れる。

[メイン] GM : 探索者の視界が暗転する。

[メイン] GM : 再び目を覚ますと、眼前には甘い芳香をまとった怪物の姿があった。

[メイン] ゼーレン : 「……」寝ても覚めても悪夢

[メイン] ゼーレン : 「は…うわぁ……」

[メイン] キノ : 「こんにちは」
精悍な顔の旅人は、涼しげに、怪物へと御挨拶。
初邂逅の時とは異なり、酷く冷静で、酷く……不敵な微笑を浮かべたまま。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「またもや目覚めたか。そなたらは他の養分とならものどもとはどこかちがうのか?」

[メイン] キノ : 「なるほど、『養分』。そして……違いか……」

[メイン] キノ : 首筋の力みを解くように、首を僅かに傾ける。

[メイン] キノ : 前髪が、重力に沿い、斜めへと。

[メイン] キノ : 「そんなに、違いは無いんじゃないかなって、ボクは思うよ」

[メイン] キノ : 「『養分』と一口に言ったって、味も、口触りも、後味も、匂いも、多種多様あるはずだ」

[メイン] キノ : 「今回が、たまたま小さな個体差があっただけに過ぎないと思うよ」

[メイン] キノ : 「そして……そうだなぁ」

[メイン] キノ : 「……キミと、ボクらとでは、価値観が違うわけだから、無粋も良いところかもしれないけど」

[メイン] キノ : 「敢えて、言うね。ボクが真正面で言いたいから」

[メイン] キノ : 「最悪だね、キミ」

[メイン] キノ : 「直向きな思いを利用して、惨いことを軽々とやってのけて」

[メイン] キノ : 「特に、なんとも思っても無さそうなんだから」

[メイン] キノ : まぁ、じゃあこのセリフを、ボクら人間が家畜に言われたら、なんて返すの?って聞かれたら、ボクも困っちゃうと思うけど。

[メイン] キノ : 今回は、別に何を正すとか、そういうわけじゃないからね。

[メイン] キノ : ぶっ殺してやろうかなっていう、ただのボクのエゴだ。

[メイン] ゼーレン : 「そりゃそうでしょうよキノさん」
後ろから声を掛ける

[メイン] ゼーレン : 「人でも違うことがあるんですから」

[メイン] キノ : 「違いないや」
不敵にも微笑し、肩を僅かに竦める。

[メイン] キノ : 「……さて、捕食者と被捕食者の戦いの幕開けだ」

[メイン] キノ : 「どちらかは、次の瞬間には確実に死んでるだろうから」

[メイン] キノ : 「惜しみなく、言い残したことを挙げていこうか、怪物さん」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「…ふんっ、矮小な存在が…まるで花に近寄る昆虫のようじゃのう」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「それはこちらのセリフじゃ。おとなしくわしの贄になっていた方が幸福だったと思わせてやろう」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「そなたらの目の前にいるわしが、絶対的な捕食者だということを知るが良い!」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 怪物は触手を部屋中に這わせ、逃げ場をなくしていく。

[メイン] GM : 戦闘ラウンドに入ります。

[メイン] GM : まずはキノから

[メイン] キノ : CCB<=99 マシンガン (1D100<=99) > 85 > 成功

[メイン] キノ : 50発、フルで撃ちましょう、惜しみなくね

[メイン] キノ : 1d50 (1D50) > 5

[メイン] ゼーレン : えぇ…

[メイン] キノ : あ、めっちゃ下振れた!

[メイン] ゼーレン : キノさーーーん!?

[メイン] キノ : 5d10+10 ダメージ (5D10+10) > 36[7,10,8,9,2]+10 > 46

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 50 → 0

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「…そなた、大口を叩いておいてそれで全力か?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 触手の半分を消し飛ばされながらも、怪物はまだピンピンとしている。

[メイン] キノ : 「フゥ……実は、怪物退治はこれが初めてなんだ」

[メイン] キノ : 人間であれば、いや、さらに大きな熊であっても命を奪っている銃弾を受けても、なお喋る余裕があると来た。
この戦いは……長くなる。

[メイン] ゼーレン : 「へぇ…慣れてきました?」

[メイン] キノ : 「ええ、もちろん ……生きていれば、ですがね」
目を細めながら。

[メイン] ゼーレン : 「違いないですね!」

[メイン] ゼーレン : キッチンとかの方に走れますか?

[メイン] ゼーレン : 包丁とりたいぞ〜!

[メイン] GM : いいですけどそれで行動消費になります

[メイン] ゼーレン : どう動いても焼け石に水だからな…

[メイン] キノ : 包丁も耐久力あるので、万が一被ダメがあった際の保険程度には…

[メイン] ゼーレン : というわけでキッチンへ

[メイン] GM : わかりました。
ゼーレンはキッチンへ行って包丁を見つけたとことで手番終了。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : わしの番じゃな。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : ccb<=65 触手 (1D100<=65) > 83 > 失敗

[メイン] キノ : よし!!!!

[メイン] ゼーレン : おお!

[メイン] 眠れるもの(完全化) : まだ触手が再生しきっていないのか、攻撃する様子を見せない。

[メイン] キノ : あとは、次ラウンドも凌げれば……勝ちだ!

[メイン] GM : 2巡目。
怪物は回復します。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 3d10 (3D10) > 21[9,2,10] > 21

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 触手がみるみるうちに伸び、消し飛んだ1/3を回復させる。

[メイン] キノ : 「さすがは、化け物」

[メイン] キノ : 装填し、手番終了

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 0 → 50

[メイン] GM : ゼーレンどうぞ!

[メイン] ゼーレン : 「キノさんまだですかぁ!」

[メイン] キノ : 「今、装填が完了し終えたところです!もう少し粘ってください!」
倒したソファを遮蔽物とし、背を預け、怪物の様子を伺う。

[メイン] ゼーレン : いいながら気を引くようにキッチン用品を投げて気を引こうとする

鍋投げてダメージで

[メイン] ゼーレン : 1D100 <=70  投げ (1D100) > 71

[メイン] キノ : 妖怪1足りないまで出てこないでよ

[メイン] ゼーレン : 消費よし

[メイン] ゼーレン : 「くそおおおおお」

[メイン] ゼーレン : まな板やら固くて重さのあるのものを投げては見るがどうしようもなく当たらない

[メイン] 眠れるもの(完全化) : ccb<=65 触手 (1D100<=65) > 52 > 成功

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「遊びは終わりじゃ。おとなしく贄となるが良い」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 3d6 (3D6) > 10[4,4,2] > 10

[メイン] キノ : 4と4のダイスはボクが受ける!

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 床を破壊しながら触手が生え、探索者たちを襲う。

[メイン] キノ : c8-6 c(8-6) > 2

[メイン] system : [ キノ ] HP : 13 → 11

[メイン] ゼーレン : 回避…してみるかぁ…

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] キノ : あ、そうだ、ボクも回避できるんだった
やれるだけやろう

[メイン] ゼーレン : CCB<=70 回避 (1D100<=70) > 35 > 成功

[メイン] キノ : CCB<=36 回避 (1D100<=36) > 68 > 失敗

[メイン] ゼーレン : 「どあああああ」
キッチンカウンターの下へ頭を下げる

[メイン] キノ : ダメだ!
でも10なら……まだいける

[メイン] system : [ キノ ] HP : 11 → 8

[メイン] system : [ キノ ] HP : 8 → 9

[メイン] キノ : 「ぐぅうッッ……!!」
剥き出しの蔦が、キノの肩を引き裂く。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「ほれほれ、どうした?先ほどの威勢はどこへ行った?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 怪物は触手を揺らめかせながら探索者たちを挑発するようにそう言い放つ。

[メイン] キノ : 「フゥ~~~~……」
次だ……次で仕留めなければ、後が無い。

[メイン] キノ : こういう時だからこそ、無にする。
焦燥は、照準をあらぬ方向へと這わせるのだから。

[メイン] ゼーレン : 「うぁぁぁ」頭を抱えている

[メイン] GM : 3巡目。
まずは怪物の回復から

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 3d10 (3D10) > 24[9,10,5] > 24

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 怪物の触手はほぼ完全に回復した。

[メイン] キノ : これで、最後にする……!

[メイン] キノ : CCB<=99 マシンガン (1D100<=99) > 72 > 成功

[メイン] キノ : 1d50 25発以上来い! (1D50) > 32

[メイン] キノ : 32発ヒット!

[メイン] キノ : 32d10+64 狙撃ダメージ (32D10+64) > 192[7,3,10,8,9,4,9,4,5,6,9,1,4,5,4,6,1,7,1,8,5,10,4,10,10,4,2,10,6,9,9,2]+64 > 256

[メイン] GM : 完全に殺しますか?

[メイン] 眠れるもの(完全化) : ccb<=2 回避 (1D100<=2) > 16 > 失敗

[メイン] キノ : よし!

[メイン] キノ : 完全には殺さない、ミラのためにも

[メイン] GM : わかりました。

[メイン] キノ : 乾いた銃声が、室内を包む。
蠢く触手の主の……腹部を、貫く。

[メイン] キノ : 「『栄養』を溜めているのは、そこだ」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「…!?何じゃこれは、先ほどとはちが…」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「ぎゃああああああああああ!?!?!?!?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 数多の弾丸に貫かれ、絶叫し、蔦は縮み、朱色の萼は醜く枯れていき、異形は完全に沈黙する。

[メイン] キノ : 「………ふぅぅ……」
パースエイダーを構えた姿勢のまま、照準の先で、標的が沈黙したのを確認してから、深い息が漏れる。

[メイン] ゼーレン : 「………やりましたぁ?」

[メイン] GM : 立ちこめる煙が晴れ、夕日が差し込むと、そこにあったのは…

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「ちょ、ちょ、ちょ、待ってくれ!やめとくれ!」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「わしの負けじゃ!そなたらの勝ちじゃ!」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「なんでもするからわしを見逃してくれ~!」
小さく縮こまった異形は枯れ蔦の上で探索者の向かって土下座をしている。

[メイン] ゼーレン : 顔を上げれば謎の……?

[メイン] ゼーレン : 「へぇ!?」

[メイン] キノ : 「………え、ええ?」
先程までの、悍ましい巨体から、その身体が縮んだかと思えば……。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 完全に力が失われ、抵抗する様子は見えない。

[メイン] キノ : 下半身から下を這う植物のうねりこそあれど、異形の容ではあれど……。

[メイン] キノ : 目の前にいるのは、どう見ても、女児だ。

[メイン] ゼーレン : 「これ……」

[メイン] キノ : 「………気が、引けるなぁ」
銃口は向けたままだが……渋そうな声を漏らす。

[メイン] ゼーレン : 「安全なんですか?」

[メイン] キノ : 「いや、安全かどうかで言えば、そうじゃないね」

[メイン] キノ : 「栄養を失って、こうなっているだけだ。また養分を得れば、狂暴な姿になるだろうね」

[メイン] キノ : 「ただ、じゃあ…… ……必死に懇願しているこの子を、さっさと殺すかと言われたら」

[メイン] ゼーレン : 「…違う生き物ですよ?」

[メイン] キノ : 「まぁ、そうなんだけどね」

[メイン] キノ : 「でも、子どもの形をしているだけで、ボクは撃つのを躊躇するよ」

[メイン] キノ : 「見た目は、それだけ情報として大きい」

[メイン] キノ : 「たとえば、いくら知性が高かろうとも、人間に近かろうとも」

[メイン] キノ : 「タコは食べるだろう?ボクは食べるよ、ゼーレンさんは?」

[メイン] ゼーレン : 「食べますねぇ」

[メイン] キノ : 「じゃあ、そういうことさ」
肩を竦めると、呪文の存在を思い出し。

[メイン] キノ : 「……それじゃあ、首輪をしようか」

[メイン] キノ : 支配(DOMINATE)
対象の意志を曲げて、呪文の使い手の意志のとおりにさせることができる呪文である。
呪文の使い手のPOWと対象のPOWを抵抗表のロールで競わせる。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : わしのPOWは10。

[メイン] ゼーレン : 「銃は構えててくださいよぉ…」

[メイン] キノ : res(15-10) せい (1d100<=75) > 19 > 成功

[メイン] ゼーレン : 「………うまくいきました?」

[メイン] キノ : じっと、異形の女児を見やる、目を細めながら。

[メイン] キノ : 「……逆立ちしろ!」
命令を、試しに下す。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「な、なんじゃと!?」
「なんでもするというたが、さすがにそれは無礼では…」

[メイン] キノ : 目の前で装填する。

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 50 → 100

[メイン] system : [ キノ ] 装弾 : 100 → 50

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「ひっ、ひいいいいいい!?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 素直に逆立ちをしてみせる。

[メイン] キノ : 「おお……すごい」
感嘆する。

[メイン] キノ : 「問題なさそうですね、ゼーレンさん」

[メイン] ゼーレン : 「ようやく一安心ですねぇ」

[メイン] キノ : 「ですねぇ」
キノも、ようやく肩の力が抜け、一息つく。

[メイン] ゼーレン : 「ふぅ…最初に飲ませたのも向こうに連れて行くためのコレの液でしょうし…」

[メイン] ゼーレン : 「解毒の必要もたぶんないでしょうね」

[メイン] キノ : 「……キミ」
逆立ちしたままの女児に話しかける。

[メイン] キノ : 「ボクらが服用した毒、このままだとどうなる?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「なんじゃ」
腕をぷるぷるさせながら。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「あれは一時的なものじゃから、自力で帰ってこられるのならもう効果はないはずじゃ」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「そもそも毒ではなく、わしの香りじゃ」

[メイン] ゼーレン : 「ふぅ…ですよね」

[メイン] キノ : 「……じゃあ、逆に」

[メイン] キノ : 「自力で帰ってこられないものは?」

[メイン] キノ : あ、逆立ちのままでお願いね、と付け加えながら。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「…向こうに行ったものはすべてわしの贄となったものじゃ。生きておるものはそなたたちくらいじゃな」
ダラダラと汗が垂れ始める。

[メイン] ゼーレン : 「ですか」

[メイン] キノ : 「『根っこ』を使っても?」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「わしの根は万病に効くだけで、一度死んだものを蘇らさせるほどの力はない」

[メイン] キノ : 「おお……それは良いことを聞いた。20万円以上の価値がありそうですね、ゼーレンさん」

[メイン] ゼーレン : 「万病に効くだけでも大概ですよ」

[メイン] ゼーレン : 「えぇ。誰もが喉から手が出るでしょうねぇ」

[メイン] ゼーレン : 逆立ちしているソレの根っこを眺めながら

[メイン] キノ : 「じゃあ、ゼーレンさんには危険な目に遭わせてしまったので……」

[メイン] キノ : 「キミ、もいで、幾つか」

[メイン] ゼーレン : 「ぜひ、買わせていだきたいキノさん」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「鬼か!?わしは今腕が使えんのじゃから無理に決まっておろうが!」

[メイン] キノ : 「我儘だなぁ……」

[メイン] キノ : やれやれと、わざとらしく首を振るう。

[メイン] キノ : 「ゼーレンさんは、タダでいいですよ。この根っこを5本か6本ほどを、謝罪込みでご提供します」

[メイン] キノ : ゼーレンが持ち出した包丁を拾うと、躊躇なく根っこを剥いでいく。

[メイン] キノ : 人間の部分を痛めつけるのは躊躇うが、別にそれ以外は、別にな、キノだった。

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「いだい!?いだいぃぃ!?」

[メイン] キノ : 「ひっひっふーって呼吸するとなんとかなりますよ」

[メイン] ゼーレン : 「……」
「そうですか」

[メイン] ゼーレン : 「コレ呼吸してるんですか」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「そんなんでどうにかなるか!?わしはそなたらとは構造が違うんじゃ~!」

[メイン] キノ : 新鮮な万病に効く根っこを幾つか手に入れると、ゼーレンへ渡す。

[メイン] キノ : 「はーいお疲れ様でした。植物だし、放っておけばまた生えるんじゃないかな」

[メイン] ゼーレン : 「ありがとうございますね」

[メイン] ゼーレン : 根をしまい込み
「で…どうするんですか?ソレと旅を?」

[メイン] キノ : 「ん~……そうなりますかね」
逡巡しながらも、頷く。

[メイン] キノ : 「害獣ではありますからね、本来は処分が良いと思いますが」

[メイン] キノ : 銃口をちらつかせる。

[メイン] ゼーレン : 「ええ」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 「ひいいいいい!?」
さすがに腕に限界が来たのか、バタンとその場に倒れて。

[メイン] キノ : 「……幼児体型で、こんなにも怯えられると、抵抗があるので」

[メイン] キノ : 「しばらくは、飼おうかなって思います。人を喰らった罪滅ぼしでもさせようかなと」

[メイン] ゼーレン : 「抵抗が理由なら変わりますよぉ」おどけてから
「しばらくですか…」

[メイン] ゼーレン : 「手間になったり旅で危険があったら教えてください」
「ソレの根を買いにどこへでも向かいますから」

[メイン] キノ : 「そりゃあ、もちろん」
口角を上げ、どこか楽しげに笑う。

[メイン] ゼーレン : つまり手に負えなくなったり管理しきれなくなったら手を貸すからまた売ってくれと

[メイン] キノ : 「その時には、格安で取引させてもらいます。あとそれ以外でも、ゼーレンさんが欲しいな~という時は、いつでも来てください」

[メイン] キノ : 殺すのは、簡単だ。生命を奪うのは、とても簡単だ。

[メイン] キノ : 積み上げた積み木を崩すのは、簡単だ。
浜辺に作られた砂の城を壊すのも、簡単だ。

[メイン] キノ : 簡単に逃げるのは、コストパフォーマンスの面では悪くないんだろうなと思う。

[メイン] キノ : ただでも、簡単で済ませたら、そこでお終いだからね。

[メイン] GM : 先ほどまでは巨大な異形に隠れて見えなかったが、奥のソファに誰かが倒れていることに気づく。

[メイン] キノ : 「……ん?ゼーレンさん、あそこにいるのって……」

[メイン] ゼーレン : 「えぇ…?」目を凝らす
この家に他に人なんて……

[メイン] GM : 倒れているのは先ほど紅茶を淹れてくれた少女だが、身体をピクピクと痙攣させて動かない。

[メイン] ゼーレン : 「最初にあった彼女…!?」

[メイン] キノ : 「………そのようですね」
目を細める。

[メイン] ゼーレン : ソファへと近寄る

[メイン] キノ : 近づき、容態を確かめる。
……もう、既に怪物による呪縛からは、解き放たれているというのに、起きる気配が無い。

[メイン] ゼーレン : 動いている…幽霊かと思ってしまったけれど生きているのだろう…

[メイン] GM : 《医学》を振れますね。

[メイン] キノ : 人類学で代行しましょう

[メイン] ゼーレン : CCB<=50 (1D100<=50) > 68 > 失敗

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] キノ : CCB<=82 人類学 (1D100<=82) > 42 > 成功

[メイン] GM : どうやら神経系の毒を盛られているようで、早く処置しないと死んでしまうだろうと感じる。

[メイン] キノ : 「………!ゼーレンさん、呼吸が浅くなっています……!」

[メイン] キノ : 「そうだ……根です!根をどうにか彼女に……!」

[メイン] ゼーレン : 「急ぎます」

[メイン] ゼーレン : しまった根を取り出しまして
使える形に
根っこのお茶とやらに

[メイン] ゼーレン : 「これで……」
緊張の面持ちで彼女の口に茶を含ませていく

[メイン] キノ : 固唾を飲み込み、見守る。

[メイン] 少女  : 少女の口に根のお茶を注ぐと次第に少女の痙攣は引いていき、少女の顔は徐々に安らいでいくように感じる。呼吸もだんだん深くなっていき、落ち着きを取り戻しているようだ。

[メイン] キノ : 手首を返し、指で脈を計っていたが、徐々に痙攣も、血行も安静へと向かっていくのが確認できた。

[メイン] ゼーレン : 「効きましたねぇ…」

[メイン] キノ : 「……万病に効く、その通りでしたね」

[メイン] ゼーレン : 彼女の顔を見ながら
「すごいですよこれ」

[メイン] 少女  : 「…ラ…り…と…ん…」
寝言のように小さく誰かの名前をつぶやいている。

[メイン] ゼーレン : 根っこの効能に驚きの顔を浮かべてから

[メイン] ゼーレン : 「彼女は…たしかに写真で見たあの子ですかぁ?」

[メイン] キノ : こくりと、写真とを見比べて確かめ、頷く。

[メイン] キノ : 「彼女が……ミラの、おそらくは幼少期からの友達でしょう」

[メイン] キノ : 「……ゼーレンさん、申し訳ないのですが。この子を病院までお願いしてもよろしいでしょうか」

[メイン] ゼーレン : 部屋を見回して
「構いませんよぉそれくらいは」
頂くもの頂きましたからと胸を撫で

[メイン] ゼーレン : 「キノさんは?」

[メイン] ゼーレン : と彼女を背負う

[メイン] GM : 部屋を見回すと、先ほどまで全体に這っていた蔦は消え去り、床に大きな穴こそ開いているもののもう異常性は感じない。

[メイン] キノ : キノは、異形の女児へと、コートを羽織らせると、背負う。

[メイン] キノ : 「ボクは、お兄さんのところへ行こうかなと、思います」

[メイン] キノ : 「名前も見た目の情報も、家族構成も手に入れましたし、あとはもう、地道に探していこうかなと」

[メイン] ゼーレン : 「一つの国に3日でしょう」
「それもサービスさせてくださいよ」

[メイン] ゼーレン : 「商人にとってタダほど怖いものはないですから」

[メイン] キノ : 「おや ……ふふ、なるほど。そういうものですか」
頬を綻ばせる。小粋な様に、心が躍っているようで。

[メイン] キノ : 「では、甘えさせていただきます」

[メイン] 眠れるもの(完全化) : 化物は逆立ちで力を使い果たしたのか、小さな寝息を上げながら気絶している。

[メイン] ゼーレン : 「それでは病院のあとに調べがついたらお知らせしますので〜」

[メイン] キノ : 「ええ、それでは」
にこりと、微笑む。

[メイン] キノ : そして、背に感じる、異形の命の熱。
寝息の振動が僅かに届くことで、生命というものを、やはり感じる。

[メイン] キノ : このような生き物を生かしてしまったボクの選択というのは、もしかしたら手に余るもので、多くの咎を受けなければならないものかもしれない。

[メイン] キノ : ただ……エゴは、エゴだ。

[メイン] キノ : しっかり、旅をさせてもらうよ。この子と。

[メイン] GM : 探索者が家から出ておそるおそる振り返る。

[メイン] GM : 空き家全体を這っていた蔦はすべて消え去っており、「ただの空き家」となっていた。空は真赭色に染まり、数匹の烏が沈みゆく太陽に別れを告げるようにかぁかぁと鳴き続ける。何事もなかったかのように日は落ちる。わずかに月がのぞく。それは帰途に付くぼろぼろの探索者を見守るように。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 後日。

[メイン] GM : 暗がりの町を自動車のテールランプが照り付ける。

[メイン] GM : 雑踏の声が歩く探索者の気に留まることはない。

[メイン] GM : なぜなら探索者の目前には待ち合わせた彼女がいるからだ。

[メイン] GM : 待ち合わせの目印の下。探索者は救った少女と出会うだろう。少女の名前はイバラ。

[メイン] イバラ : 「お待ちしていました…」
冷たい彼女の視線が探索者を刺す。

[メイン] ゼーレン : 「どうも〜元気になったようでなによりですねぇ」

[メイン] ゼーレン : 「お困り事や心配事がありましたらどうぞゼーレン商事へ」

[メイン] ゼーレン : 外向きの挨拶をゴテゴテと

[メイン] イバラ : (…冗談が通じていない?)

[メイン] イバラ : 「…コホンッ、ちょっとふざけちゃいました、ごめんなさい」

[メイン] イバラ : 「数日ぶりですね、ゼーレンさん。あのときは本当にありがとうございました。…積もる話は落ち着く場所でしましょう。こちらです…」

[メイン] ゼーレン : 「いえいえ〜お誘いとあれば」
とついていく

[メイン] イバラ : 「あ、お待ちしていたのは本当ですよ。時間を取ってしっかりお礼の言葉を伝えたかったんです」

[メイン] イバラ : そんな話をしながら、イバラとゼーレンは青い外套の下をくぐり雑踏をかきわけ、細い道を進みだす。

[メイン] イバラ : ゼーレンは彼女についていく。誘われる。暗がりの先へ、先へと。

[メイン] イバラ : やがてイバラが歩みを止め、靴を明かりの零れる建物の前へと向ける。

[メイン] イバラ : そこは町の喧騒を遠ざけるように路地裏に聳え立つ喫茶店だった。

[メイン] ゼーレン : 「お礼なんてとんでもない」

[メイン] ゼーレン : 答えながら見るは喫茶店

[メイン] ゼーレン : 「喫茶店…」
まだ数日前のことを思い出し

[メイン] ゼーレン : 「紅茶のお好みで?」

[メイン] イバラ : 「…それは、入ってから話します」

[メイン] イバラ : 扉を開く。香ばしい珈琲の香りと食器がこする音。薄暗い店内の先。
開いているテーブルに無造作に腰掛ける。

[メイン] イバラ : 「あらためて今日は来てくれてありがとう。
今私がこうしてテーブルに頬杖をつけるのもあなたたちのおかげ。
感謝してる…ありがとう」

[メイン] イバラ : 「もうひとりの方は来られなくて残念です。直接お礼を言いたかったのに」

[メイン] ゼーレン : 「助けるのに必要なものが揃っていたからですよぉ」
「旅人だそうですからねぇ」

[メイン] ゼーレン : 「忙しなくあっという間に行かれて」

[メイン] ゼーレン : 「手紙などでしたら届けてますよ」
腕の見せ所だといった顔をして

[メイン] ゼーレン : 「後遺症も何もなく?家族も安心されてますかぁ?」

[メイン] イバラ : 「はい。おかげさまで元気にやれています」

[メイン] イバラ : 「両親には迷惑かけてしまったのでずいぶんと怒られましたけど…」
そう言って苦笑しながら。

[メイン] ゼーレン : 「1月ですからねぇ」
1月の間どれだけのことをしていたのかはわからないが元気なっているなら……やっぱり根がすごいのだろうか

[メイン] イバラ : 「…色々ありましたけど、自分の中でやっと整理できたので…それで、もし良かったらあの場で何があったのかを聞いてもらいたいなって思って」

[メイン] イバラ : 「もうひとりの方にも言われたとおり手紙を書きますね」

[メイン] ゼーレン : パチパチと脳内でそろばんを弾き
「聞きたいですね」
「私は旅人に継いていき、旅人は最後に倒しただけですから」

[メイン] イバラ : 「ありがとうございます。それじゃ…」
ぽつりぽつりと話をし出す。

[メイン] イバラ : 「ミラのことは…なんといえばいいかわからないけれど…今でも不思議な体験過ぎて、正直思い出すだけで心がざわついて。死んでしまった…のよね。うすぼんやりと記憶はあるの。あの子の家に尋ねたあと、後ろからハンカチで…何かをかがされて…そこからは曖昧」

[メイン] イバラ : 「何か深い闇に突き落とされたわ。とても不快。身体が溶けていったようで…全身が痛くて…でも動かす身体がないから抑えたり身を丸めることすらできない。感覚だけが生きている。そんな感じだった」

[メイン] ゼーレン : 「想像したくないほど恐ろしい…」
神妙な面持ちになる

[メイン] イバラ : 「しばらくしてふと軽くなったの。それからかな。ほんのり…ミラの顔が見えたの。私に微笑みかけた。…いえあれはミラではなかったわ…。すでに別の何かだった。私の記憶はそこまで」

[メイン] イバラ : イバラは紅茶をすする。手がわずかに震えている。

[メイン] ゼーレン : 「運がよかったんですよ」

[メイン] ゼーレン : 「生きて戻れたことはなにか理由があるわけでなく、運が良かった」

[メイン] イバラ : 「…そうなのかな?」

[メイン] ゼーレン : 「違います?」

[メイン] ゼーレン : ミラがもしかしたら助けたのかもしれない
彼女の存在がミラを揺るがせるのかもしれない
過去の答えのないことを判断して気負うより、未来の銭を数える

[メイン] ゼーレン : それが哲学だった

[メイン] ゼーレン : 「誰もわかりませんけどね」

[メイン] イバラ : 「わからない、けど…うん。私は運が良かった、そう思っていた方が色々悩まなくて済むのかもしれませんね」

[メイン] イバラ : クスリと笑顔を見せて。

[メイン] ゼーレン : 「本当に悩みがあるならいい教会を紹介しますよぉ」
ハハハと笑い欠けた歯があらわになる

[メイン] イバラ : ふたりでひとしきり笑ったあと。

[メイン] イバラ : 「あっ、これも話しておかないといけませんね。あの日のあとの話なんだけど…」

[メイン] GM : イバラに聞いた話によると、イバラは兄が病気になって気落ちしている親友ミラを
心配して尋ねたところで毒を盛られたようで、その後の記憶がないそうだ。
1か月間、彼女が養分集めの手伝いをさせられていた事実は黙っておいたほうが良いだろう。

[メイン] GM : ミラの家には翌日腐乱臭がするということで警察が駆けつけた。
家からは複数の死体が見つかり、警察は猟奇殺人犯が
空き家を拠点にしていたのではないかと調査を進めている。

[メイン] GM : ミラの兄・陸人は難病により入院していたが、奇跡的な回復を遂げた。
お見舞いで届いた「お茶」を飲んだことがきっかけであろう。
もちろんそのことを知る人は探索者くらいだろう。
リハビリを行っておりもうすぐ退院するそうだが当分我が家には帰れそうにない。
退院が早まれば親戚の実家にお世話になるとかなんとか。

[メイン] イバラ : 一通り話を聞き終えると、イバラは紅茶のお替りを注文する。

[メイン] イバラ : 「お店の前で聞きましたよね?私が紅茶がお好みかって」

[メイン] ゼーレン : 「はい聞きました」

[メイン] イバラ : 「私ね、今紅茶にハマってて。あなたもどうかしら」

[メイン] ゼーレン : 苦笑いしながら
「甘いフレーバーのしないものなら」

[メイン] イバラ : 「くすっ、はーい!」

[メイン] イバラ : 「店員さーん!」

[メイン] GM : Come, let us have some tea and continue to talk about happy things.
ハイム・ポトク。

[メイン] GM : 次の一杯からは探索者と彼女はなにかたわいもない話…あるいはありふれた幸せなことについて話し始めるだろう。それは、明日の一杯…明後日の一杯と紡がれていく。

[メイン] GM : There is a great deal of poetry and fine sentiment in a chest of tea.

[メイン] GM : 幸せの一杯を明日の私に。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 前日暖と、そして後日談。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : モトラド……ではなく、レンタルの原付バイクを走らせ、幾度あった。

[メイン] キノ : ゼーレンさんに、繋がりを持つ方達のおかげで、お兄さん、つまり陸人さんが入院している病院は、あっけなく割れた。

[メイン] キノ : やっぱり、こういう旅では、持っておいて損はないね、縁というのは。

[メイン] キノ : 風を切り、公道を走らせる。太陽を閉ざす雲もなく、気持ちのいい天気だった。

[メイン] キノ : なんだか、清々しかった。解放感と言えばいいのだろうか、それとも、達成感というべきか、とにもかくにも、今のボクは心穏やかなものだった。

[メイン] キノ : 「コート、脱がないでね。キミの体を人に見られたら吃驚されてしまうから」
ハンドルを握りながら、後方に乗せている、異形の女児へ語り掛ける。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「ゆ~れ~る~」
原付の後部でがくがく揺れながら。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「なんじゃ?何か言うたか?」

[メイン] キノ : 「……いいや、なんでもないよ」
初邂逅の時の悍ましさはどこへ行ったのやら、害獣には変わらずとも、なんとも……気の抜けるような有様だ。
本当に、人間の元気な子どもと何ら大差のない個体だ。

[メイン] キノ : くすりと、僅かに微笑む。

[メイン] キノ : そして、赤信号を前にゆっくりと止まる。
平日なのもあり、周りには車も無い。

[メイン] キノ : 「そういえば、流水に足掻くことなく、沿う形で、こうしてボクらはここまで来ているわけだけど」

[メイン] キノ : 「名前を聞いていなかったね。ボクはキミのことを一体、なんて呼んだらいいんだい?」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…そなた、わしの素性を知っているからこうやって捕まえたのではないのか?」

[メイン] キノ : 「いいや、実はそうでもないんだ」

[メイン] キノ : 「ボクはキミのような体を持つ生命に初めて出会ったし、あの屋敷でも一応は、キミに関する情報は、触り程度なら散見したし、実態も概ね程度には分かっているつもりだけど」

[メイン] キノ : 「でもそれってさ、結局は『思い込み』だとは思わないかい」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「なるほどのう…」
ほうほうと相づちをうつように頷いて。

[メイン] キノ : 「こういうのを、好奇心って、人は呼んでいるらしい」

[メイン] キノ : 「ボクはキミという生き物に、興味を湧いているのが……単純な、今のボクの心境だね」

[メイン] キノ : 「そういうわけで、まぁキミにとっても、ボクが恐ろしい怪物に見えているかもしれないけど」

[メイン] キノ : 「暫くは、キミはボクと旅をすることになるからね。だから呼び名くらいはあると、便利かな」

[メイン] キノ : 「是非とも教えてくれると、助かるよ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…ここで逆らってもわしが得することはないから、ここは素直に応じておくのがよいかの」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしはヴルトゥームと呼ばれておる」

[メイン] キノ : へぇ、と僅かにキノは感心し、目を細めながらも。

[メイン] キノ : 「ヴルトゥームか、じゃあ、ヴルとでも呼ばせてもらおうかな」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「下等生物の分際で不敬じゃと言いたいが、今のわしには抵抗する力もないから好きに呼ぶとよい」

[メイン] キノ : 「ありがとう、寛大な処置に感謝いたしますっと」
ほんの小さく笑いながら。

[メイン] キノ : 「ボクは、キノ。旅人だよ」

[メイン] キノ : 「でも、ヴルの口ぶりからして、ボク達人間を識別する必要性は、あんまり無いのかな」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「そうじゃな。わしの力を恐れ敬い配下や信者になったものもおるが、わしにとってはそれらは下等生物の贄よ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わざわざ一個体として認識したことなぞない」

[メイン] キノ : 「そっか。じゃあ、ボクのことは人間でも、下等生物でも、どう呼んでもいいよ」
僅かに肩を竦めながら。

[メイン] キノ : 「ボク達人間には、人間の生き方があるし、ヴルにはヴルの生き方がある」

[メイン] キノ : 「まぁ、下に見られるのはどうにも、ボクも思わないものが無いかと言われたら、否定はしにくいけど」

[メイン] キノ : 「でも、そんなものだよねとも、ボクは思うしね」

[メイン] キノ : 「たとえば、噴火する火山に対し、生きられなくなるからやめてくださいって懇願したところで、火山は噴火を続けるし、別に言うことを聞かなければならないなんて規則があるわけでもない」

[メイン] キノ : 「ボクとヴルとの間にある隔てりは、きっとそんな感じだよね」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「そう思っておるのなら早急にわしを解放して欲しいがの」

[メイン] キノ : 「そういうわけにはいなくてね」
苦笑しつつ。

[メイン] キノ : 「言っただろう?人間には、人間の生き方があるんだ」

[メイン] キノ : 「ヴルに、人間の生き方や、思想、倫理を強いるつもりはないけど」

[メイン] キノ : 「今、この地球を支配しているのは、人間だ」

[メイン] キノ : 「ヴルを支配しているのも、ボクだ」

[メイン] キノ : 「隔てりを無理に縮めずとも、その状態のまま共生がしたいなと思ってね」

[メイン] キノ : 「しばらくは、飼わせてもらうよ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…わしはそなたのためにも解放した方が良いと言うておるのにわからんやつじゃの」

[メイン] キノ : 青信号に変わったため、徐々に走らせる。

[メイン] キノ : 閑静な住宅街を走る。速度は、先程よりも緩やかであり。

[メイン] キノ : 「ボクのためにも……か」

[メイン] キノ : 僅かに、目を細める。

[メイン] キノ : 「そうかもね、いつかヴルはボクを殺すんだろうなと思う」

[メイン] キノ : 「だから、そういう意味で解放はした方がいいのかもね」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…違うの。そなたを殺すのはそなたと同じ人間よ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしには配下や信者がおると言うたろう?わしを連れているということは、そなたはそれらに付け狙われるということじゃ」

[メイン] キノ : ああ、なるほどね。と返事。しかしあっけらかんしている。

[メイン] キノ : 「それなら、ご心配無用だよ」
くすりと笑いつつ。

[メイン] キノ : 「ボクは旅人、世界各地を、自分の足で踏み入れ、その目で確かめ、愉しむ者」

[メイン] キノ : 「これまでもボクは、幾度となく危険な目には遭ってきたから、慣れっこさ」

[メイン] キノ : 「もし、ヴルの配下や信者に殺されたとしても……その時は、その時」

[メイン] キノ : 「そういう運命だったんだなぁって、大人しく受け入れるよ」
とても、穏やかな返答だった。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…もっと恐れると思っておったが、おかしなやつじゃの」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「その時が来たら、わし直々に楽園へと連れて行ってやるから楽しみにしておくが良い」

[メイン] キノ : 「へえ、それはいいなぁ、楽しみだ」
笑みを含めつつ。

[メイン] キノ : 「……やっぱり、ずっと思っていたけどさ、ヴル」

[メイン] キノ : バイクを走らせながら、横目でヴルを一瞥する。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…なんじゃ?」
ジロリと睨み返して。

[メイン] キノ : 「賢いよね」

[メイン] キノ : 「それと……存外、優しい」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「ふんっ!わしは数千年も生きておるから賢いのは当然じゃ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「そっちは知らんがの。楽園という響きが甘美に感じるだけであろう」

[メイン] キノ : 「なるほどね、じゃあこれもまた一つの『思い込み』かな」
双眸を前方へと戻しながら、そんな感想を溢す。

[メイン] キノ : 「……そろそろ見えてきたね、病院」
顔を僅かに上げると、前方から現れてくる大病院。
陸人が入院しているのは、高層階だ。

[メイン] キノ : 「うーん、しかし困ったなぁ、病院かぁ……」

[メイン] キノ : 「ヴルってさ、もう少し擬人化できたりする?」

[メイン] キノ : 上半身はともかく、下半身の蕾や触手のように蠢く蔦に関しては、どう隠したものか……と悩んでいる。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「できるのならこんな姿をさらしておらぬわ!」
「今のわしは栄養失調の植物と同じよ」

[メイン] キノ : 「でも、栄養戻ったらまた大きくなるんでしょ?」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「そうじゃな。このような姿では敬いの対象にもならぬからの」

[メイン] キノ : 「うーん」
原付を止めると、フルフェイスマスクを脱ぎ、顎を触りながら思索する。

[メイン] キノ : 静電気でぺしゃんこになった髪を解すために、首を左右に振った後。

[メイン] キノ : 「じゃあ、やっぱりこのままで」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「いつでも贄を用意してわしを元の姿に戻しても良いのじゃぞ?」

[メイン] キノ : 「今のヴルのままの方が可愛いよ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしは恐れ敬われたいのじゃ!」

[メイン] キノ : 「はーい、じゃあボクが恐れ敬うから、それで満足してね」

[メイン] キノ : ヴルを再度コートで包むと、手を引いて病院まで連れていく。

[メイン] キノ : 「ヴル怖い~、ヴル最高~」
棒読みだった。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…まったく畏敬の念を感じんのう」
ブツブツ文句を言いながらもズルズルと引っぱられて病院へと連れて行かれる。

[メイン] キノ : やっぱりこうしてみると、人間の子どもと何ら変わらないなぁ、と内心思うキノだった。
意地を張るために、見栄を張る女児と、今のヴルの姿、一体何が違うだろうか。
危険な行為は承知の上でだけど、微笑ましく思うのだった。

[メイン] キノ : やがて、受付で手続きを終え、エレベーターへと乗り、患者が入院するフロアへと向かう。

[メイン] キノ : 森名という苗字を探し、廊下をぶらつき、ようやく見つける。

[メイン] キノ : 「さて、ヴル。飼い主として、一つ命令をするね」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしは飼われておらんぞ!」

[メイン] キノ : まぁまぁまぁと諫める。

[メイン] キノ : 「ヴルにはね─────」

そして、キノはお願い事をするのだった。

小さな、ちっぽけな望みを。

それは……。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 眠れるものの発した甘い香りにかどわかされ、キノにとっては3度目のお花畑の世界に辿り着く。

[メイン] GM : しかし前回までの不思議な高揚感はなく、花々も元気がないように見える。この世界の創造主が弱っているからだろうか。

[メイン] GM : 遠くの方を見ると、傘をくるくると回している少女の姿があった。

[メイン] キノ : 微風も、どこか弱々しい。揺らされるは、緑がかった、黒い短髪の前髪。

[メイン] キノ : 花々の海を、ゆっくりと進む。

[メイン] キノ : その背へと、静かな顔立ちを向けたまま。

[メイン] キノ : 「ミラ」
そして、穏やかに声を掛けた。

[メイン] ミラ : その声に振り向いて

[メイン] ミラ : 「…うふふ。約束を守ってくれたのね?あの方に刃向かうからよ」

[メイン] キノ : 「そういえば、また会おうって言ったね」
キノもまた、僅かに微笑みながら。

[メイン] キノ : 「でも、今日は違う用事で来たんだ」

[メイン] ミラ : 「……?違う用事?それって一体…?」

[メイン] キノ : ふわりと、キノを羽織るコートが広がる。

[メイン] キノ : 「会わせたい人がいてね、紹介するよ─────」

[メイン] キノ : そして、キノが横へ逸れると、キノがいた場所の後ろにいたのは……。

[メイン] 陸人 : 「……ミラ」

[メイン] 陸人 : キノの影に隠れていたのは、あの家で見つけた写真に写っていた男性。

[メイン] 陸人 : 森名ミラの兄、森名陸人の姿だった。

[メイン] ミラ : 「…!?なっ、なんでおにいちゃんが!?病院にいるはずでしょ!?」
困惑し、目をまん丸としている。

[メイン] 陸人 : 「…そうだな、今も俺は病院にいる。ここにいるキノさんに連れてきてもらったんだ」

[メイン] キノ : そういうこと、と言わんばかりに、静かに頷く。

[メイン] キノ : キノは、兄妹の対面をただ静かに、穏やかに見守っていた。

[メイン] ミラ : 「…!?連れてきてもらったって…あの方に会ったってこと!?そんな…それじゃおにいちゃんも…」

[メイン] キノ : 「いいや、ヴル……じゃないや、『あの方』だったか」

[メイン] キノ : 「色々あってね、手懐けたよ」

[メイン] ミラ : いずれ兄も連れてくるとミラ自身も言っていたのに、明らかに動揺している。
眠れるものの力が弱まり、精神支配が薄れているのかもしれない。

[メイン] キノ : 正確には、懐いてはいないんだけどね、と悪戯っぽく、小さく笑いながら。

[メイン] キノ : そして、そんなミラの様子を見逃すはずもなく、目を細めながら。

[メイン] キノ : 「……ミラ、ボクとミラは、『またいつか』会うかもしれないけど」

[メイン] キノ : 「陸人さんとは……これが、『最後』だ」

[メイン] キノ : 動揺する目を、しっかりと見て、伝える。

[メイン] ミラ : 「…手なずけたって、そんなの…めちゃくちゃよ…」
「それができるのなら、私がこんな思いをする必要なんて…」

[メイン] キノ : 「そうだね」
虚しげに、僅かに眉を落としながら。

[メイン] キノ : 「……ミラは、頑張っていたからね」

[メイン] キノ : 「陸人さんの、もう治らないかもしれない体を、どうにかして助けるために」

[メイン] キノ : 「悪魔にも、魂を売る覚悟で ……頑張ってきたもんね」
その声は、穏やかで、ゆっくりと、優しく。

[メイン] ミラ : 「………」
「その結果が、あの方の半身となって、今はここにしか存在できないのだけどね」
少し寂しそうな顔を見せて。

[メイン] ミラ : 「……それで、どうしておにいちゃんと会うのが最後なの?」

[メイン] キノ : 「……」
分かってはいたが、こうして本人を前にすると、胸を苦しめるものがあるのか、暫し黙すると。

[メイン] キノ : 「……ミラは、もう『あの方』の一部となっている。もう二度と……元の世界には、帰れない」

[メイン] キノ : 「そして、陸人さんは、ミラの、決死の実りによって」

[メイン] キノ : 「今日か、明日か、少なくとも1週間以内には、確実に退院が決まる」

[メイン] キノ : 「陸人さんの『未来』は、戻る」

[メイン] キノ : 「……そして二人は、交わることのない道を、これから進むこととなる」
声のトーンを僅かに落としながら、眉根に力みが籠る。

[メイン] キノ : ミラにとっては……残酷なことだろう。

[メイン] キノ : 身を挺して、海外へ渡ってまで頑張ったというのに
……二人共に、『未来』を歩む帳は、無いのだから。

[メイン] 陸人 : 「…ごめんな、ミラ。読んだんだってな、俺の書き置き」

[メイン] ミラ : キノの言葉に顔を俯かせて黙っていたが、こくりと頷いて。

[メイン] 陸人 : 「本当はこうなるはずじゃなかったんだ。俺がお前の未来を守るはずだった」

[メイン] 陸人 : 「…本当にごめん。俺がお前に伝えることなく抱え込んでいたから、お前も俺のためにって頑張って、無茶をして…」

[メイン] 陸人 : 「それだけじゃない。俺が自殺するために用意しておいた毒をお前が飲んでしまって…これじゃ俺がお前を殺したも同然だ」

[メイン] 陸人 : 「償いたいのに、お前はもういない…俺はどうすればいいんだって、ずっと入院中も悩んでいた」

[メイン] 陸人 : 「お前にまた会えるなら、お前がこうしてくれたように、俺もなんだってやる」
「でも、思えば思うほど、体調もどんどん悪くなっていって…もう諦めかけてたんだ」

[メイン] キノ : 兄の切実な想いに、キノの表情に陰りが見える。

[メイン] 陸人 : 「…そんな時にさ。この人が、キノさんが俺の病室に来てくれたんだ」

[メイン] 陸人 : 「最初は何を言っているのかわからなかったけど、キノさんはお前のことをよく知っていて、この人なら何とかしてくれるかも…って思って、信じてみたんだ」

[メイン] 陸人 : 「気がついたらこの花畑でさ。最初は気が動転しそうになったんだけど、キノさんが指差した先にお前がいて…もっと驚いたよ」

[メイン] ミラ : 「………」

[メイン] 陸人 : 「キノさんとお前の会話を聞いていたら、少し不穏さを感じたけど、それでもお前はお前のままだった」

[メイン] 陸人 : 「俺の妹、森名ミラだった」

[メイン] キノ : その言葉に、つい表情が緩み、微笑む。

[メイン] ミラ : 「…そんなの、当たり前じゃないの」

[メイン] ミラ : 「私はおにいちゃんのことが世界で一番大切なんだから…!」

[メイン] 陸人 : 「ははっ、やっぱりお前はミラだよ」
「一緒に写真を撮ったときのことを覚えているか?あの時もお前はそう言ってたよな」

[メイン] キノ : 「へぇ」
にやりと笑い、目を細め、悪戯っぽい顔でミラを横目で見やる。

[メイン] ミラ : 「…!?なっ、何で覚えてるの!?」
真っ赤になった顔を傘で見えないようにして。

[メイン] 陸人 : クスリと笑って。
「…ここに来たとき、最初はミラに謝ろう謝らないとって思ってたけど、久しぶりにお前の顔を見たらそんな考えは吹っ飛んだよ」

[メイン] 陸人 : 「『最後』はお互い笑顔でいたいもんな」

[メイン] ミラ : 「…っ」
傘の向こうから声にならない声が漏れる。

[メイン] 陸人 : 「もっとお前といっぱい話したい。できるならここにずっといたい」

[メイン] 陸人 : 「…だけど、それはお前が救おうとした俺の未来を閉ざすことになるんだよな」

[メイン] 陸人 : 「俺はお前の頑張りを無駄にしたくない。だから俺は俺の未来を生きるよ」

[メイン] 陸人 : 「…駄目な兄でごめんな。でも、俺はお前の兄で良かったって改めて思ったよ」

[メイン] 陸人 : 「お前は誰かのためだったら自分すら賭す、とっても優しいやつだってことがわかったから」

[メイン] 陸人 : 「お前の兄でいさせてくれてありがとう。ミラ」

[メイン] ミラ : 「…おにいちゃん」
傘から顔を出す、その瞳は涙で潤んでいた。

[メイン] ミラ : 「…私だって、もっと一緒にいたかったよ」

[メイン] ミラ : 「いつかここにおにいちゃんも呼んで、イバラも連れてきて、みんな幸せにって」

[メイン] ミラ : 「…でもそんなのはダメなの。今の私にはそんなことはできない。誰かの未来を奪うなんて…」

[メイン] キノ : 「……」
離愁は、悲しいものだった。

[メイン] キノ : 兄妹とも、互いを思い遣っていた。大切にしていた。

[メイン] キノ : 愛があった。きっと、もしかしたら、狂気と出会わなければ、何かしらの術で二人は、乗り越えていたかもしれない。

[メイン] キノ : 夢を妥協することにはなったとしても、また違う希望があったかもしれない。
しかし、それはたらればの話でしかない。もう起こってしまっているものは、巻き戻すことはできない。

[メイン] キノ : 兄は、妹の未来を願った。しかし、妹もまた、兄の未来を願った。
その結果、兄の未来のみ残り、妹は閉ざされた。
……不条理で、理不尽で、心へ陰が侵す。

[メイン] キノ : 今はただ、胸を痛むことしかできなかった。

[メイン] キノ : 「……二人はね、すごいよ」

[メイン] キノ : 「人智を逸脱した、名状し難い力を前に、ミラは精神を奪われたというのに」

[メイン] キノ : 「母体が弱まっていると言っても、まだその支配下だというのに」

[メイン] キノ : 「陸人さんを前に、心は死んでいないんだから」

[メイン] キノ : 「そして……陸人さんも、ミラの愛を受け入れ、きっと歯痒さの中にあると思うけど、それでもミラの意志を尊重している」

[メイン] キノ : 「兄妹だからこそ……できることだ。本当に愛があるからこそ、できることだ」

[メイン] ミラ : 「うっ…ううぅぅ…」
キノの言葉に嗚咽を漏らしながら泣いている。

[メイン] 陸人 : 「…キノさんこそ、ミラのことを尊重してくれたんでしょう?」

[メイン] 陸人 : 「今は感じませんが、最初にミラとキノさんが会話しているときに感じた空気は…その…」

[メイン] キノ : 小首を傾げながら、陸人の紡ぐ言葉の続きを聞き入る。

[メイン] 陸人 : 「…いや、やっぱりいいです。俺の気のせいと思うので」

[メイン] キノ : 「……? なんですか、気になりますよ」

[メイン] キノ : 「ミラにだって、この場で別れた後、陸人さんの言葉が気になって気になって、もどかしい思いさせてしまうかもしれませんよ?」
なんて言いながら、僅かに肩を竦める。

[メイン] 陸人 : 「………」
困った顔をしている。

[メイン] ミラ : 「…おにいちゃんをいじめないで!」

[メイン] ミラ : 涙をぬぐって、2人の会話に割って入るように体を割り込ませて。

[メイン] ミラ : 「…最初はあの方にあなたが殺されてここに来たのだと私が思ったから…」

[メイン] ミラ : 「(おにいちゃんに「この人に撃たれたの」なんて言えないでしょ!?)」
コソコソとキノにだけ聞こえるように。

[メイン] キノ : くすりと悪戯っぽく笑うと、観念したように両手を挙げ、降参のポーズを取る。

[メイン] キノ : 確かにね、と短めに、気さくに返事をした。ミラにだけ聞こえるように。

[メイン] ミラ : 「…とにかく、あなたが手加減してくれたから、今も私がこうやってここにいるわけで」

[メイン] ミラ : 「おにいちゃんもそのことを感じとったのよ、きっと!」

[メイン] キノ : 「ははっ、なるほどね」
合点がいったように、笑いつつ。

[メイン] キノ : 「まぁでも、ボクも珍しいことをしたよ。今回は」

[メイン] キノ : 腰に回すホルスターのポーチから、パースエイダーのグリップだけを顔見せる。

[メイン] キノ : 「ボクは、善人じゃないですよ」

[メイン] キノ : 「まぁ、積極的に人を殺すといった、猟奇的な人間でもありませんが……」

[メイン] キノ : 「旅路を阻むなら、命を狙ってくるなら、ボクは躊躇なくトリガーを引きます」

[メイン] キノ : 「そうしなければ、今のボクは無いですからね。これからも、そうして生きていくつもりです」

[メイン] キノ : 「ただ……今回、引き金を引くのを躊躇ったのは」
ちらりと、ミラの顔を見やって。

[メイン] キノ : 「もしかしたら、ミラの優しさに当てられたのかもね」
にこりと微笑んだ。

[メイン] ミラ : 「…優しいのはどっちなのよ」
ぼそりと文句を言うようにつぶやくが、顔は笑っていた。

[メイン] キノ : また、肩を竦め、目を閉じると首を左右に振るうだけ振るう。
次ぐ言葉は無い。

[メイン] ミラ : 「…そういえば、まだお礼を言っていなかったわね」

[メイン] ミラ : 「ありがとう。おにいちゃんを連れてきてくれて、おにいちゃんの未来を救ってくれて」

[メイン] ミラ : 「心残りがないって言えば嘘になるけど、今は感謝の気持ちしかないわ」

[メイン] キノ : 「……いいや、ボクはお礼を言われるようなことは、できていないよ」
眉尻を少し落としながら、空しげに。

[メイン] キノ : 「『最善』の形で、君達兄妹に明るい未来を与えることができなかった」

[メイン] キノ : 「ボクは、これでも全然まだ悔いてるし、こうして二人を会わせたのも……」

[メイン] キノ : 「ただ少しでも、ボクの気持ちにあった靄を晴らしたいっていう、独善的な、エゴだからね」

[メイン] ミラ : 「…それでも、感謝してるわ。ね?」
陸人に目配せをして。

[メイン] 陸人 : 「ああ。俺からも改めてここに連れてきてくれて、ミラに会わせてくれてありがとうございます」

[メイン] キノ : 照れ臭そうに、頬を掻きながら。

[メイン] キノ : 「それなら……ボクも、肩が軽くなったよ。ありがとう」

[メイン] キノ : 「陸人さん、サッカー頑張ってくださいね。ミラのためにも、目指すなら世界一です」
陸人に目をやり。

[メイン] キノ : 「ミラ、まだ……諦めるのは、早いからね」
ミラに目をやり。

[メイン]   : その言葉に2人ともニコリと、そっくりな笑顔をキノに向けた。

[メイン] GM : その笑顔を最後に視界が暗くなり、次に目が覚めるとキノは陸人の病室で目覚めた。

[メイン] GM : 陸人は少し消耗して眠ったままだったが、その表情はどこか安らかなものだった。しばらくすれば目覚めて元気になることだろう。

[メイン] GM : 目的を果たしたキノは眠れるものを連れて病院を後にした。

[メイン] GM :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : ここまでが、前日談。

[メイン] キノ : そして……。

[メイン] キノ : これからが、後日談だ。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : 汽笛の音。涼しい風が、茶色のコートを揺らす。

[メイン] キノ : 青々と地平線まで伸びる海は、空の色と交差をする。

[メイン] キノ : 細波が立ち、楽しげな音を醸しながら。

[メイン] キノ : 「今日で3日目だ」

[メイン] キノ : 鼻腔に磯の香がうっすらと広がる。そんな、陽だまりの中の港。

[メイン] キノ : 「色々あったけど、悪くない国だった。面白かった。またいつか訪れてみても、いいかもね」

[メイン] キノ : その表情は、満足気だった。晴れやかなものだった。

[メイン] キノ : 「そういえばヴル、潮風が当たっちゃってるけど、大丈夫?植物的に」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしをなんだと思っておるのだ!力は弱くなっていても、これくらいの環境で生き抜けぬほどやわではないわ!」

[メイン] キノ : 「へえ、そりゃすごい。結構万能だね?」
意外そうな顔をしながら。

[メイン] キノ : 「ほら、植物ってさ、塩害が敵だろう?だから、平気かなーって思ってたけど」

[メイン] キノ : 「ヴルを、そこらの植物と同一視するのも、変な話か」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしがこの星に来る前にいた場所は火星じゃぞ?そこと比べればどこも温室よ」

[メイン] キノ : 「火星かぁ」
青々とした空を見上げる。青である。星々は当然見えない、月も、火星も。

[メイン] キノ : 「火星って、火の星って書く割には寒いんだっけ。そうなると、ここはヴルにとってはむしろ暑いくらいで……」

[メイン] キノ : ああ、なるほど、と勝手に合点がいく。

[メイン] キノ : 「だからヴルって、裸なの?」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「おかしなことを聞くのう…そなたは植物が服を着ると思うのか?」

[メイン] キノ : 「……うーん、哲学的なことを言うね」
難しそうな顔をする。

[メイン] キノ : 「確かに、衣服を纏うのは人間だけか」
自分の襟元を摘まんで、軽く引っ張りながら。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「わしのような上位的存在になると環境の変化くらいでは何も変わらん」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「ちょっとしたことで変わっていくそなたらが不思議なくらいじゃ」

[メイン] キノ : 「……確かに、そう言われてみれば、不便だ。実に不便」

[メイン] キノ : ヴル視点からすれば、恒温動物だろうが、変温動物だろうが、環境にわざわざ『合わせなければならない』という時点で、生物として劣っているな、ということなのだろう。

[メイン] キノ : ボク達からしてみても、こうして『会話』をすることを当たり前としているし、それができない雑草を見ては、少なくとも『対等』の立場だとは思わない。
きっと、それと一緒だ。

[メイン] キノ : 「羨ましいなぁとは思うけど、でも……」

[メイン] キノ : 「ボクは、人間だからね、この不便さを愛するよ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「ふんっ!わしには理解できんわ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「危険を顧みずわしをこうやって連れていくことも、わざわざわしの半身に会いに行く行動も」

[メイン] キノ : 「うーん」
僅かに考え込み、腕を組むと。

[メイン] キノ : 「……ボクらは、ちっぽけで、か弱いからかな?」

[メイン] キノ : それが、キノなりの答えだった。

[メイン] キノ : 「不完全で、発展途上で、不便なことが多く、生身じゃ、一人じゃ何もできないからこそ」

[メイン] キノ : 波揺られる海を一望しながら、続ける。

[メイン] キノ : 「馳せるんじゃないかな」

[メイン] キノ : 「何か、新しい自分と出会えるかもって、期待に擽られるんだと思う」

[メイン] キノ : 「だからボクは、あの兄妹との出会いも」

[メイン] キノ : 大きな、緑の瞳をヴルへと向けると、僅かに微笑み。

[メイン] キノ : 「ヴルとの出会いも、愛おしいと思っているんだ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「………」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「そう思うならわしを解放…もう良いわ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「ここ数日そなたと行動していてわかったからの、わしの理屈は通じぬと」

[メイン] キノ : くすりと笑う。

[メイン] キノ : 「解放を望むなら、いつでもボクの寝首を搔くの、狙っていいからね」
悪戯っぽく、挑発的な笑みを向けつつ。

[メイン] キノ : 「そうだ、水あるけど、ヴルは飲む?」
二本の、未開封のミネラルウォーターを見せる。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「…ふんっ、わしがやらぬとも、いずれわしの配下や信者がそなたからわしを解放するはずじゃ」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「それまではわしも楽しむとする」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 「一カ所に留まっておっては得られぬものもあるからの」

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : 水はくれと腕を伸ばす。

[メイン] キノ : 「いいねぇ、そうこなくっちゃ」
満足気に頷くと、一本をヴルへ差し出す。

[メイン] キノ : そして自分の分のペットボトルの蓋を開けると、喉を潤す。

[メイン] キノ : それと共に、船へ搭乗するようにアナウンスが掛かる。

[メイン] キノ : 「ぷはぁ、それじゃ、行こうか」
迷子にならないように、手を差し伸べつつ。

[メイン] 眠れるもの(弱体化) : くぴりと水を飲んで、キノの手を掴んで。
「それで、どこへ行くのじゃ?」

[メイン] キノ : 「ん~……そうだねぇ」

[メイン] キノ : 「次は─────」

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ : キノは、出会った。そして、知った。
人の『思い込み』は、簡単に覆るのだと。

[メイン] キノ : さらに、知った。
この世界には、常識が通じないものが眠っていると。

[メイン] キノ : ヴルのような異形がいて、じゃあ他はいないのかなんて言ったら、それこそ現実味が薄いというものだろう。

[メイン] キノ : 万病に効く根という、まるでお伽話のようなアイテムが存在するくらいなんだ。

[メイン] キノ : ─────ミラを、もう一度蘇らせる方法だって、きっとあるんじゃないかな。

[メイン] キノ : もしかしたら、無いかもしれないけど。

[メイン] キノ : あるかもって考えた方が、楽しいよね。

[メイン] キノ : ボクは、旅の楽しみがたくさん増えた。

[メイン] キノ : ヴルから得られる、知らない生態のことも。
そして、まだあるかもしれない、常識外れの世界のことも。

[メイン] キノ : 旅の果てには、一体……何が待っているかな。

[メイン] キノ : 楽しみだね。

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :
世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。
 ― The world is not beautiful: therefore it is. ―

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] キノ :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : シャンクトゥルフ
「Tea Talk」

[メイン] GM : エンディングA:アフタートーク

[メイン] GM :

[メイン] GM :